メンテナンスの話をしよう。

「OG-13」Leather Bag(End)

使用前のルーティン、日光浴。

レザープロダクトのメンテナンスについて、ブラザーから多くの質問を受ける。何度もお伝えしている通り、オガワはメンテナンスには無頓着だ。レザーJKTもウォレットも、多くて1年に1〜2回、軽くオイルを塗る程度だ。

とは言え、天然皮革はメンテナンスフリーではない。ここでは、オガワが行なっているメンテナンスを簡単に説明したい。

日本が世界に誇る老舗タンナー、栃木レザーで鞣し上がったばかりの多脂革は油脂をたっぷりと含んでいる。届いたばかりの「OG-13」をそのまま使い始めても問題はない。

だが、新品の「OG-13」は、驚くほど白い。触ることを躊躇するほど白い。オガワはこの白さが苦手だ。誰も注目していないのに、すれ違うすべての人が「あいつのバッグ、真っ白じゃん」と心の中で笑っているのではないかと疑心暗鬼になってしまう。

そこで、使用前に日光浴させ、薄っすら小麦色に日焼けさせるのが、オガワのルーティン。

まずはニートフットオイルを薄く塗る。ホームセンターやAmazonで簡単に入手可能だ。液状で使いやすい反面、どんどん革に染み込んでしまうので塗り過ぎには注意。古くなったTシャツやムートンの切れ端に少量を染み込ませ、少しずつ塗り込めばいい。

上はオイルの塗布前と塗布直後。この個体は、保護剤を塗らずに仕上げた最終サンプル(詳細は前回レポート参照)。ムラにならず均一にオイルが浸透している。

そして、日当たりの良い場所に置いておくだけ。気温が低く、紫外線が弱いこの時期でも、2〜3日も日光浴させれば薄っすら小麦色になる。(上写真)

少し色が濃くなるだけで、雰囲気はぐっと男前になる。オガワのような小心者でも、持つことに恥ずかしさを感じることはない。

注意したいのは夏場だ。屋外で強烈な紫外線に長時間晒すと、革にダメージを与えてしまうことがある。不自然な色に焼けてしまうこともある。夏場に限らず、紫外線が強い日は室内で様子を見ながら日光浴させるのがいいだろう。

これで準備完了。あとは使い込むのみ。

オガワの場合、レザーJKTでもウォレットでもバッグでも、使い始めたらメンテナンスはほとんどしない。油分が明らかに少なくなり、カサついてきたらオイルを薄く塗るだけ。冒頭で書いた通り、1年に1〜2回程度だ。

お気に入りのレザープロダクトを可愛がるあまり、頻繁にオイルを入れる人が意外と多い。中には1か月に一度、オイルをたっぷり塗るという人もいるが、絶対にオススメしない。

オイル過多の革はしっとりと湿った感じの手触りになり、革本来のコシやツヤが失われる。革製品の天敵、カビの原因にもなってしまう。

メンテナンスの質問の返答にいつも書いていることだが、革製品は愛情を持って使い続けることが、最高のメンテナンスだと考えている。大切な相棒にオイルを塗り過ぎるのではなく、ガンガン使い、たまにスリスリと手で撫でて愛情をたっぷりと注いであげてほしい。

シミを取りたきゃ、革濡らせ。

以前、雨シミを検証したことがある。雨の日に「OG-13」を持ち出し、濡れた状態で24時間放置。乾いた後には、立派なシミが完成していた。個人的にはシミもワイルドで好きだが、撮影を兼ねてシミ抜きを行ってみた。

方法は至って簡単。綺麗な布に水を含ませ、シミ周辺を全体的に濡らすだけ。

乾けばシミが目立たなくなっている。

注意も必要だ。水分が蒸発する時に油分も一緒に飛んでしまうため、革が硬化する恐れがある。「全体的に濡らす」と言っても、ビチャビチャになるほど濡らさないほうがいい。また、乾燥後は油分が不足して革が脆弱になっているので、オイル補給を忘れずに行いたい。

上記はオガワが行なっている独自のシミ抜き方法だ。実際に行う場合は自己責任でお願いしたい。「シミが消えない」「シミが酷くなった」「革が硬くなった」など、いかなるクレームにもお応えできない。