小さなバッグを、本気で作る。

Leather Bag Project

ウォレットとスマホの置き場に悩む。

仕事柄、飛行機や新幹線に乗る機会が多い。大抵の出張は泊まり。翌日の着替えやオールバックを作るポマードセットなど、出張必需品一式を愛用するリモワのスーツケースの決まった場所に収めるのが、オガワのルーティン。

飛行機でも新幹線でも、スーツケースは頭上のスペースに収納する。一度置いたら、目的地に到着するまで下ろすことはない。混み合った機内や車内で、スーツケースを下ろし、中のモノを取り出す行為は、いささか気が引ける。

座席に着席する。ジーンズのバックポケットに収めていたレザーウォレットとスマホは必然的に取り出すことになる。体重80キロ越えの身体が、仕事の生命線であるスマホを押し潰し、生活の原動力であるクレジットカードを破損してしまうことを防ぐのだ。

平和ボケした典型的な日本人らしく、座席前のポケットに入れることが多い。「ここに財布がありますよ」とアピールするが如く、防犯面で非常に危ない。わかってはいるが、ここしか置き場がない。結果、うたた寝もできない。

近くて遠い、充電器。

うたた寝を我慢し、手持ち無沙汰からスマホでメールチェック。こういう時に限って緊急度の高い連絡が届く。スマホの小さい画面を睨みつけ、メールでのやり取りを行う。ホッとひと息、今度はインスタグラムだ。特に新幹線での移動時に、オガワはインスタグラムをアップすることが多い。

そして、バッテリー残量が危うくなる。スーツケースの中には充電器が入っている。取りたい。でも、隣に座ったオヤジは夢の中。取れない。無念だ。

そんな状況を、もう何年も繰り返している。「バッグを持てばいいだけ」かもしれない。しかし、ウォレットやスマホの収納、充電器を持ち歩くためだけに、たいそうな大きさのバッグを持つことに抵抗がある。「便利」より「手間」が勝る。それではいけない。

そして、ふと思い付いた。

小さいバッグを作ればいい。

持つことが苦にならない、軽くて小さなバッグ。40代、50代、それ以上の男性が持っても違和感がないクールなバッグ。むしろ、若人よりもオヤジにこそ似合う「小さい」バッグ。大人のアメリカンカジュアルにマッチするバッグだ。

「ボディバッグはどうか」と言う人もいるだろう。持ち物を常に肌身離さず持ち歩く必要がある海外では非常に効果的だ。両手を自由に使えるので、撮影やメモを取る取材時にも役に立つ。

しかし、デメリットもある。ボディバッグは体に掛けて使うバッグだ。形状的に単体で持ち歩くことには向いていない。

40代、50代、60代、歳を重ねると、ボディバッグの斜め掛けスタイルに抵抗が生まれることもある。あのカジュアルな装着スタイルがマッチしない場所に出掛けることも多くなる。

決してボディバッグを否定しているのではない。なぜなら、このオガワもボディバッグを愛用している。海外出張や取材時に、これほど頼もしいバッグは存在しない。その魅力は身を持って体感している。

だが、今求めているのは、ボディバッグではない。その対極に位置するバッグだ。

欲しいのはクールなハンドバッグ。

このプロジェクトのパートナーは、この工房しか考えられない。フラットヘッドのレザー部門、ストックバーグ。レザーウォレットを中心としたプロダクトは、国内だけでなく、海外からも高く評価されている。

カスタムオーダーは納品まで数か月待ちが当たり前。にも関わらず、世界中から続々とオーダーが届く。何を隠そう、オガワが愛用しているボディバッグもストックバーグ製である。

イメージはすでに完成している。早速、長野県千曲市のストックバーグの工房を訪れ、レザー部門の責任者、宮坂氏との打ち合わせに臨んだのだった。