長野の仲間たちに、心より感謝。
突然の報告となってしまい申し訳ないが、今回の多脂革バッグ「OG-13」がフラットヘッドと作る最後のバッグとなる。
フラットヘッドの革部門「ストックバーグ」の生産体制の見直しにより、バッグ類の生産を一時休止することが決まったのだ。「Original Garment Brothers」とのコラボモデルだけでなく、フラットヘッド自社製品のバッグ類も一時生産休止となる。
それに伴い、2022年に再販を予定していた馬革バッグ「OG-6」も、ストックバーグでは作れなくなる。今年の再販を心待ちにしていた多くのブラザーには本当に申し訳なく思っている。
その気持ちはフラットヘッドの仲間たちも同じだ。高畠社長、宮坂氏、堀内氏は、「OG-6」を楽しみにしてくれていたブラザーのことを最後まで気に掛けてくれた。
「O.G.BROS.WEB」「The Magazine」そしてSNSなど、オガワが管理する各メディアを通じて、ブラザーに直接お詫びする機会がもらえないかとまで言ってくれた。どこまでも真っ直ぐな男たちだ。
オガワは昨年末、この件の連絡を受けた。それから約1か月、色々な可能性を模索してきたが、オガワのワガママを貫くことで、今まで協力してくれた仲間たちに迷惑を掛けるわけにはいかない。
さらに詳しく話を聞けば、それが後ろ向きではなく、将来を見据えた前向きな体制変更であることを知った。
新型コロナウイルスの感染拡大はモノ作りの世界にも影響を及ぼし、昨年はオガワの管理の甘さもあり、馬革バッグ「OG-6」のデリバリーに大幅な遅れが生じてしまった。
それらすべての状況を鑑み、ここで一度区切りを付けることにした。
オガワの暑苦しい文章で書き連ねると、堅苦しくシミったれた雰囲気になるが、フラットヘッドとの関係が途切れるわけではない。途切れるようなことでもない。もはや20年の付き合いだ。フラットヘッドの仲間たちのことは表も裏も、女性の好みに至るまで何でも知っている。
また時が来れば、ブラザーがあっと驚くプロダクトを共に作りたいと思っている。
「OG-6」を超える「OG-6」を作る。
馬革バッグ「OG-6」の再販を楽しみにしていたブラザーの落胆した姿が目に浮かぶ。心苦しい限りだが、大切なブラザーを裏切るようなことはしたくない。少しだけ時間を頂きたい。
オガワが考案した「OG-6」は不滅だ。同じデザイン、同じサイズ、同じ仕様で、新たな「OG-6」を作る。株式会社フラットヘッド・ネクストにも既に伝えており、正式な了解も得ている。
ハードルは高い。あの完成された「OG-6」を超える「OG-6」が作れるのか。途轍もなくハードなミッションにして、最高にエキサイティングなミッション。
新たな可能性も秘めている。レザーJKT「OG-2」と同じ馬革で仕立てた「OG-6」が生まれるかもしれない。「OG-15」の手染めによる赤茶色の馬革で仕立てたら……、鳥肌が立つ。
現時点では何も決まっていない。規模の大きなファクトリーで作るのか、小さな工房でひとり黙々とミシンを踏む革職人とタッグを組むのか。
技術の高さはもちろんだが、お互いが楽しめるか、ハッピーになれるか。そこが重要だ。
我こそはという匠からの連絡も受け付けている。
今はただただ、新たな「OG-6」を脳内に思い描き、ワクワクしている。