「OG-17S」ディテール解説。

「OG-17」Wabash Pants

細部までこだわり抜いた自信作。

生地が13オンスから10.5オンスに変更になったが、シルエットやディテールは「OG-17」「OG-17B」と共通。熟考を重ね、細部まで徹底的に追い込んで作り上げたスタイル&仕様を変更する必要はまったくない。それほど、このウォバッシュパンツには絶対の自信を持っている

とは言え、生地の厚さが変わり、色も明るいインディゴカラーになったので、各ディテールの見え方、雰囲気も変わるだろう。このページでは「OG-17S」の主要なディテールを紹介することにする。

股上は、普通〜少し深めに設定している。50歳を超えたオヤジにとって、浅い股上はパンツが脱げてしまいそうで落ち着かない。かと言って、深過ぎる股上もイケてない。お腹が膨らみ始めたメタボなオヤジでもストレスを感じない、絶妙な股上に設定した。

オリジナル刻印入りのドーナツボタン。使い込むとブラックの塗装が剥げ、下地の真鍮色が現れる。

フロントはユニバーサルジッパー。編集長時代に製作したウォバッシュパンツはボタンフライだったが、10年以上穿き込んだことでボタンホールが伸び、簡単にボタンが外れてしまう。意図せず街中でフルオープンしてしまい、警察のお世話になるのは御免だ。安心確実なジッパーしか考えられない。

フロント&バックのポケット口は、オリジナル刻印入りのリベットで補強している。突起が無いので、愛車のシートやソファに傷を付けることがない。小さなパーツだが、その恩恵は絶大。

2020年に発表したデニムパンツ「OG-10」のレポートで詳しく解説しているが、ポケットの角度には徹底的にこだわり抜いた。無造作に手を突っ込めること。そして、座った時にポケット口が浮かないこと。このふたつの条件をクリアするために、当時、何度もサンプルを作り直し、ようやく「ポケットの黄金角度」に辿り着いた。ポケットに「iPhone」が確実に収まるように、十分な深さも確保している。

サイドシームなど主要な巻縫い部分は、タフなトリプルステッチを採用。センターはホワイト、両サイドにレッドの縫製糸を使う。オガワが長年愛用してきたウォバッシュパンツの仕様を継承している。

ジーパンやワークパンツに多く使われている、白いスレーキが嫌いだ。物の出し入れ時、白いスレーキがチラリと見える瞬間が嫌いだ。だから、オガワが企画するパンツのスレーキには、すべて黒いヘリンボーン生地を使っている。

子供の頃、背中側のパンツ上端がベルトの下に潜ってしまっている大人を見ると、生意気にも「だらしないなぁ」「カッコ悪いなぁ」と思っていた。50歳を超えた今、世の子供たちに「カッコ悪いオヤジ」のレッテルを貼られないよう、一般的なジーンズよりも背中側のベルトループを2本多く設定し、ウエストをしっかりとホールドしている。

写真ではわかりにくいが、中央が盛り上がった「中高」のベルトループ。着座時にベルトループが椅子に擦れても「中高」のお陰でステッチに干渉せず、糸切れしにくいと言われている。

エイジングを存分に楽しめるように、シンプルなデザインを採用した山羊革パッチ。通常、革パッチには「品番」「ウエスト」「レングス」が押印されるが、足の長さが残念なオガワにとって「レングス」表記は不要。それよりも「入手した年」「穿き始めた年」が一目でわかる「年=Y」の方が役に立つ。このサンプルには、2026年製作を意味する「26」を押印している。

ウォレットを収納することが多いバックポケットは、もっともダメージを受けやすい箇所。フロントポケットのスレーキと同じ黒いヘリンボーン生地をポケット内部全面に貼り、しっかりと補強している。

ドットストライプの柄を合わせて取り付けたバックポケット。写真のサンプルはヨーク部分の柄も合っているように見えるが、基本的にヨークとの柄合わせは行わず、ランダムに配置している。

ドット抜染による10.5オンスのウォバッシュ生地。ネップ(繊維の節)が入った風合い豊かな生地は、着用者の穿き方や洗い方によって、唯一無二の色落ちを見せてくれる。

以上が「OG-17S」を構成するディテールである。いよいよ次回、オーダー受付開始となる。