人知れず変化する「6」。
それまでの「OG-6」を隅々まで見直し、新たなファクトリー、新たな職人と共に再構築した「OG-6」(New ver.)。世に問うたのは、昨年、2022年8月のことだった。
時が経つのは早いもので、間もなく一年になる。
ブラザーからのオーダーを受け、馬革を仕込み、馬革の上がりを確認。パーツにもっとも適した裁断を行い、手間を惜しまない下処理、ベストな芯材を探り、確実なステッチで縫い上げる。
完成した「OG-6」のデリバリーは今年2月から始まり、すべてのブラザーに届け終えたのは4月。そして、すぐに今シーズンの準備に掛かる。
つまり、一年中、オガワの脳内には「6」が存在する。その間、馬革の仕上げ、裁断、芯材、縫製、付属パーツに至るまで、常に「今この瞬間のベスト」とは何かを模索し続けている。
「Original Garment Brothers」そして「OG-6」が存続する限り、それは止まることはない。
本日オーダーを開始した、2023年の「OG-6」は、芯材に微調整を加えることにした。加えて、ハンドルにも新たに芯材を挟み込むことで、よりカッチリした握り心地を目指す。
目指したのは、握った瞬間の骨太感。
ダイナミックに言い切ってみたものの、昨年の「6」と今年の「6」、両モデルを持ち比べてもその差に気付くブラザーは少ないだろう。誰ひとり気付かないかもしれない。それほど僅かな違い。だが、そのために職人とセッションを繰り返し、サンプルを作り、検証する。
プロダクトの仕様やディテールを変更する時、オガワは一括して「進化」という言葉を使うことが多い。耐久性や機能性を向上させる仕様変更は「進化」であることに違いない。
だが、今回の仕様変更は「変化」。
プロダクトの優劣ではなく、自己満足という名の「オガワのワガママ」に向き合った結果の仕様変更と捉えて頂きたい。
職人の本気も届ける。
一方、止まらぬ「進化」もある。「OG-6」の生産ファクトリー、グルーバーレザーの徳永代表、原山氏、そしてすべての職人たちの「技」と「探究心」。
オガワはモノ作りに関して、かなり神経質だ。挑戦せずに「出来ない」と決め付けることも大嫌いだ。馬革の裁断、ステッチ1本、仕上がりの美しさ……。気になることは遠慮せず彼らに伝え、改善策を共に模索する。
時には具体性に欠けた突拍子もないリクエストを投げるので、オガワのことを「面倒なオールバック」と思っているかもしれない。それでも真剣に向き合ってくれる彼らには本当に感謝しかない。最高のブラザーだ。
幅30センチに満たないバッグ。この小さなプロダクトのために、今まで彼らがどれだけのテストと検証を繰り返してくれたことか。
「OG-6」に惜しみなく注ぎ込まれる、彼らの「技」と「探求心」。限られたこの場で書き連ねることはできないが、完成した「OG-6」と共にブラザーの元に必ず届くと信じている。
Detail of OG-6
2022年8月に掲載したオーダー開始時のレポートとほぼ同じ内容となるが、あらためて「OG-6」のディテールを解説する。
前回はオガワのサンプルを使ってディテールを解説したが、今回はブラザーにお届けした「OG-6」と同じ本生産の個体を撮影した。サンプルよりも完成度は格段に高い。
ゴールドのダブルジッパー。引き手は手縫い。茶褐色のテープカラーはオガワのお気に入りで、馬革JKTやウォレットにも同色を使う。マチ(奥行)は約70ミリで自立もする。
ハンドルと根革に打たれた「OGBROTHERS」の文字が刻まれたオリジナルのカシメ。使い込むほどに風合いが増す。
バッグ内部には「Original Garment Brothers」のオリジナルラベルを縫い付けている。黒地に金文字の組み合わせは、フライトJKT「A-2」のラベルがモチーフ。
片側に内ポケットを設置。馬革でパイピングを施し、カシメで補強。厚めの芯材を仕切りに挟み込んでいるのでカッチリとしている。
馬革の個体差について。
日本が世界に誇る老舗タンナー、新喜皮革の熟練職人が昔ながらの製法で仕込んだフルベジタブルタンニン鞣しの馬革は、天然の表情を最大限に楽しめる反面、個体差もある。シボが少ない個体もあれば、多い個体もある。一期一会の出会いとして、相棒を迎えて頂ければ幸いだ。シワやシボなど、革質に関するご要望には一切お応えできないので予めご了承頂きたい。
Aging of OG-6
数年前、各部の耐久性を確認するために、オガワがダメージテストを行った個体(上写真)。少々可哀想だったが心を鬼にして、壁面や電柱と接触させ、アスファルトの地面に落とし、雨に濡らし、徹底的に痛めつけた。いわば、強制エイジング。
通常の使用でここまでの表情になるには、ガンガン使い込んでも5年、いや10年掛かるかもしれない。過保護に扱えば10年経っても到達しないだろう。
この姿が示す通り、「OG-6」はキズや擦れを気にするバッグではない。デパートの紳士バッグ売り場に並ぶ、上品な量産品でもない。
歴戦のレザーJKTのように、傷だらけになりながらも輝きを放つプロダクト。ブラザーしか受け付けない相棒となるために生まれたプロダクトなのだ。
<サイズ>
横幅:約290ミリ
高さ:約210ミリ(ハンドル含まず)
奥行:約70ミリ
<価格>
5万4000円(税抜)
<納期>
約6か月
オーダーを受けてから馬革を仕込むため、タンナーの作業状況、天候等によって早まる場合もあれば、遅れる場合もあります。今後の新型コロナウイルスの感染状況、紛争等の社会情勢によって原皮の流通に影響が出ることがあり、納期が大幅に遅れる可能性もあります。そのことをご理解の上、オーダー頂きますようお願いいたします。納期の遅れが発生した場合にお待ち頂けない方は、オーダーをお控えください。
納期に大幅な遅れが生じる場合には、当方より個別にご連絡を差し上げますので、納期内(オーダーより6か月)における詳細スケジュール等のお問い合わせはご遠慮頂きますようお願いいたします。「1日でも早く手にしたい」と思って頂けることは非常に嬉しいことですが、当方からファクトリーに個別の納期確認をする度に製作作業がストップしてしまうため、ご理解とご協力をお願いいたします。
以下も必ずご確認ください。
※お一人様、1個のオーダーとさせて頂きます。
※「OG-6」は完全受注生産です。いかなる理由でも、オーダーのキャンセル、返金、返品、交換はできません。
※シワやシボの量や場所には個体差があります。それらに関するご要望やお問い合わせ、クレームは一切お受けできません。
※素材の風合いを活かす仕上げのため、天然のキズ等が入る場合があります。
※寸法には誤差が生じる場合があります。
※炎天下の車内や火の近くなど、高温になる場所での保管や使用により、ジッパーや金属パーツが熱くなることがあります。くれぐれも火傷にご注意ください。
※火傷やその他の怪我など、いかなる場合でも責任を負い兼ねます。
※写真は実際の商品の色味と異なる場合があります。
※オーダーを頂いた時点で、「O.G.BROS.WEB」ならびに「O.G.BROS.SHOP」のすべての記載事項にご了承頂いたものとさせて頂きます。
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O.G.BROS.SHOP
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主に携帯キャリアメール(docomoやezwebなど)において、オーダー時の自動送信メールは届いているにも関わらず、その後の手動メールが届かない事例が多くなっております。オーダー確認後、1〜2日以内には必ず手動メールをお送りしておりますので、オーダー手続きから3日以上経過してもメールが届かない場合には、大変お手数ですが(shop@ogbros.jp)までご連絡頂けますようお願いいたします。
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