唯一無二のウォレットを作る。

「OG-22」「OG-23」Crocodile Wallet

ショート10個、ロング13個。

自宅の仕事部屋にクロコダイルを広げ、慎重に裁断位置を決めていく。耐久性に影響が出る大きな傷、ウォレットの表情を大きく損ねる腑の乱れを避けて型紙を置き、銀ペンでラインを引く。

クロコダイルの表情や状態によって、ロング・ショートを決定。有効活用と言えど、今回も腹部の使用を見送ったクロコダイルも数枚ある。サンプル製作で数枚を使用したこともあり、本生産に使えるクロコダイルは最終的に20枚ほどになった。

裁断の位置決めは簡単に終わると思っていたが、これが実に頭を悩ませる。一度ラインを引いても、寝て起きて翌日あらためて見ると違和感を感じることも少なくない。結果、すべてのクロコダイルの裁断位置を決定するのに5日ほどを要した。

すべての裁断位置が決定した後、クロコダイルを亀太郎氏の工房に運び込み、抜き型を使って裁断を行う。やり直しがきかない重要な工程。オガワが引いたラインに沿って、亀太郎氏が慎重に抜き型を置いていく。

当然だが、裁断が完了すると製作個数が確定する。今回製作できるクロコウォレットのショートは10個、ロングは13個となった。

すべての表情は天然の証。

クロコダイルの個体差について説明させて頂きたい。ふたつとして同じ表情が存在しないクロコダイルで仕立てるウォレットは、まさに唯一無二のプロダクト。

今回はクロコバッグ「OG-19」で使用しなかったクロコダイルを有効活用するため、個性的な腑の並びや左右バランスの乱れ、耐久性に影響がない傷はそのまま使う。予めご了承頂きたい。

もちろん、ウォレットの雰囲気を損ねるような腑の乱れ、耐久性や強度に影響する傷は裁断時に避けている。その他、下記のような個体差もあるのでオーダー前にご確認頂きたい。

<腑の大きさの違い>

クロコダイル自体の大きさに若干のバラつきがあるため、腑の大きさにもバラつきがある。「腑が大きい個体」もあれば「腑が小さい個体」もある。ブラザーの好みもあると思うが、自信を持って言えることは、どれも抜群に渋いウォレットに仕上がるということだ。

ロングウォレットだけでなく、ショートウォレットも同様、腑の大きさには個体差がある。どちらの雰囲気もオガワの大好物。

<骨のような突起>

突起と言っても、大きく盛り上がっているわけではないのでご安心を。点状の模様のようなものと考えて頂きたい。オガワが実際に使用している個体にも入っているが、上品さの中に潜む無骨な表情として、かなり気に入っているポイントだ。

<細かなシワ>

鞣し工程で現れたものなのか、一部分に細かなシワが入ることがある。パーツの状態だと少々気になるかもしれないが、ウォレットに仕立てると目立たなくなると思われる。

何度も言うが、天然のクロコダイルの表情は唯一無二。それがクロコダイルの魅力であり、醍醐味でもある。「腑が綺麗に並んでいなければ絶対に嫌だ」「天然の傷さえ受け入れられない」という人は、間違いなく型押しクロコを選んだ方がいい。

ぜひ、一期一会の出会いとしてクロコダイルの相棒を迎えて頂けたら幸いだ。なお、クロコダイルの個体差に関するリクエストには一切お応えすることができないのでご了承頂きたい。