クセモノ「5」を再構築する。

Leather JKT 2022

馬革を楽しむ、ノーポケット。

展開する4モデルのレザーJKTの中で、クセモノと称される「OG-5」。品番から分かる通り、オージーブロスの初期から続くプロダクトだ。

数年前、アメカジ界で一大ブームを巻き起こした、GジャンタイプのレザーJKT。各ブランドから「ファースト」「セカンド」をモチーフとしたモデルが多数リリースされる中、カタチにしたのは「ノーポケット」。

長い付き合いのブラザーはご存知の通り、オガワは「使わない」「使えない」ディテールが好きではない。デニムJKTであれば使う機会もあるかもしれないが、レザーJKTの胸ポケットを使うことは皆無に等しい。だから、省く。

胸ポケットが位置する場所は、フロントボタンを閉じた時に放射状にシワが走る、馬革の美味しい場所。いわば、見せ場だ。ポケットで邪魔をされたくもない。

結果、「OG-5」にはポケットの類は一箇所もない。内ポケットもない。クセモノと称される所以がここにある。

着丈も少し伸ばしている。馬革を好む骨太オヤジに、短過ぎる着丈は似合わない。「OG-5」に若々しさは皆無。まさに「オヤジのGジャンタイプ」を具現化した一着なのだ。

オーダー数に反比例する、圧倒的熱量。

正直なところ、毎年オーダー数はもっとも少ない。だが、オーダーしてくれたブラザーの熱量は凄まじいものがある。ラインナップの中心的存在になることはないが、オージーブロスの進むべき道を指し示す重要なプロダクトだ。

2019年の発表以来、大きく手を加えることがなかったが、今シーズンはこいつを再構築することにした。具体的には、先に紹介した「茶馬」で仕立てる。

もちろん、明確な理由がある。現在展開するレザーJKTにおいて、「OG-5」は唯一、袖にカフス&ボタンを装着したモデルだ。前身頃にはヨーク、フロントプリーツ、裾には帯が付く。

ジャケットを構成するパーツが多く、複雑な構造ゆえ、革の柔らかさが着心地を左右する。驚くほど柔らかい手染めの「茶馬」との相性は抜群だと確信した。

さらに、プリーツによる伸縮性も手伝い、フロントボタンを閉めると放射状にシワが走る。表情の変化が顕著な手染めの「茶馬」であれば、日に日に深く刻まれるシワを存分に楽しめるはずだ。

オーダー受付開始時には間に合わなかったが、追って、ファクトリーで撮影した「OG-5」製作レポートをアップさせて頂く。これを見れば「Original Garment Brothers」の馬革JKTの実力をご理解頂けるはずだ。