「OG-2 Ver.Saddle」オーダー開始。

Leather JKT 2024

リスクの向こう側へ。

馬革のサドルで仕立てる「OG-2」。革の詳細はレポート「四馬四様の馬革ラインナップ。」にて解説しているので割愛するが、オガワが初めてサドルホースの「OG-2」を目にした時の感想を、嘘偽りなく本音で書こう。

申し訳ないジャケットを作ってしまった。

サンプルを製作する前に、タンナーで仕上がったばかりのサドルホース(半裁革)を送ってもらった。染色していない革なので、当然ながら乳白色。

オガワの手の脂で汚してはいけないと思い、石鹸で手をゴシゴシと洗ってから触れてみた。はやる気持ちを抑えられなかったのだろう、しっかりとタオルで手を拭いたつもりが手首付近に水分が残っていた。案の定、革の表面には水染み……。

ただの水分なので時間の経過とともに消えたが、デリケートなサドルホースの洗礼を受けた。そして、オガワの脳内に様々な光景が浮かんだ。

回転寿司に行けば、醤油が跳ねる。
焼肉屋に行けば、肉汁とタレが跳ねる。
カレー屋に行けば、ルーが跳ねる。
ラーメン屋に行けば、スープが跳ねる。
喫茶店に行けば、コーヒーが跳ねる

リスクが波のように押し寄せる。

販売に携わる人であれば、誰もがリスクのあるプロダクトは扱いたくないと思うのが常。オガワのように実店舗を持たず、ネット上での売買のみの場合はなおさらのことである。

2018年に「Original Garment Brothers」を立ち上げてから、延べ1万人近いブラザーとお付き合いをさせて頂いてきた。有難いことに、ほとんどのブラザーに天然素材の特性や個体差をしっかりとご理解頂いている。

6年間、大きなトラブルもなく「Original Garment Brothers」を続けられているのも、そんなブラザーたちのお陰に他ならない。本当に感謝しかない。

だが、天然素材の特性や個体差をしっかりとご理解頂いているブラザーも、寿司や焼肉、カレーやラーメンを食べるだろうし、コーヒーを飲むこともあるだろう。

そして、染色していないサドルホースにシミが付けば、どんな骨太なブラザーでも悲しい気持ちになるはずだ。大枚を叩いて手に入れたジャケットに、醤油の洗礼、タレの洗礼……絶望に打ちひしがれるブラザーの姿が目に浮かぶ。

藁にも縋る気持ちで、オガワにシミ取りの方法、解決策を聞いてくるだろう。お問い合わせを頂くことは大歓迎なのだが、オガワ自身、正しい対処法を持ち合わせていないため、明確な返答ができない。

だから「申し訳ないジャケット」なのだ。

予めお伝えしておく。「OG-2 Ver.Saddle」は、手にしてくれたブラザーとオガワ、二人三脚で付き合い方、楽しみ方、シミや汚れの対処法を模索しながら育てていくジャケットになる。その点をご理解の上、ご検討頂きたい。

2024年9月、「OG-2 Ver.Saddle」のサンプル製作に立ち会うため、大阪のワイツーレザーを訪ねた。本社屋を改装し、拡張されたファクトリーで黙々と革に向き合う職人たち。

縫製の世界でも職人の高齢化が課題となっているが、ワイツーレザーのファクトリーでは若き職人が目立つ。時には長年ワイツーレザーを支えてきた熟練職人の元に足を運び、教えを請い、自らの技を磨いているという。

最高の素材、最高の環境、最高の職人。ワイツーレザーのレザーJKTが日本国内だけでなく、世界中の愛好家から支持される背景には、絶え間ない企業努力があってこそなのである。

四馬四様の馬革ラインナップ。」で説明した通り、タイコで空打ちして揉み込んでいないため、新品時のサドルホースは他の馬革に比べて硬い。圧倒的にコシが強く、「OG-2 Ver.Saddle」の縫製は困難を極める。縫製技術だけでなく、腕力、デリケートな素材だけに汚れに対する配慮も求められる。

完成した「OG-2 Ver.Saddle」に袖を通す。黒馬や赤馬と比較すると、圧倒的に硬い。久し振りに鎧のようなレザーJKTに出会った。懐かしさすら覚える。

だが、心配は無用だ。今この原稿を書いているオガワが着ている「OG-2 Ver.Saddle」は、既に革が馴染み、黒馬や赤馬と変わらぬ柔軟さを手に入れている。

そして、色味が気に入った。

牛革の栃木サドルに比べ、サドルホースの日焼けによる色の変化はゆっくりだ。色濃くなるには、ある程度の時間が掛かると推測している。

色濃くなるまでは少し恥ずかしい。そう思っていたが、ナチュラルな表情が意外にも気に入った。少しだけ色付けば尚良しと思い、自宅に戻った後、マスタングペーストを塗って日光浴を行うことにした。

毎日ニュースで取り上げられるほど、残暑が厳しかったにも関わらず、サンプル完成後から今日に至るまで、生憎の曇天模様が続く。なんとか日が差したタイミングを見計らい、2日間だけ日光浴を行うことができた。それが下写真。

いかがだろうか。文字で表せば薄ベージュ色。染色や仕上げを一切行っていない、正真正銘の素上げのため、革の表情がダイレクトに楽しめる。

少し色付いたことで、皺、傷、ムラ……天然の表情が一気に現れた。シミや汚れに対する不安も少しだけ薄らいだ。さすがに醤油や焼肉のタレのシミは避けたいが、適度な汚れは悪くない。むしろ、ワイルドな「OG-2 Ver.Saddle」に育て上げるための、隠し味になってくれるはず。

リスクの向こう側には、最高のワクワクが待っているのだ。

<CAUTION.01>
人間の肌の色にも個人差があるように、馬革の個体差によって色味が微妙に異なる場合がある。ただし、同じ色味の馬革を選別して一着の「OG-2 Ver.Saddle」を製作するので、パーツ(袖と身頃など)によって激しく色味が異なることはない。

<CAUTION.02>
サドルホースには黒い斑点状の染み、黒ずみ箇所がある場合がある。新品時には少々気になるかもしれないが、色濃く育つにつれて目立たなくなる。

<参考データ>
身長:165センチ
体重:83キロ
胸囲:110センチ
ウエスト:34インチ
「OG-2」のサイズ:38
※2024年10月の撮影時点

<Ogawa Voice>
新品時は鎧のように硬い。だが、ニートフットオイルを少し多めに塗布し、数週間も着込めば抜群に柔らかく馴染んでくれる。「三度のメシよりエイジングが好き」というブラザーには、今シーズンもっともオススメしたい一着だ。

<サイズチャート>

■肩幅:左右の肩(頂点)の直線距離
■着丈:背中の中央。襟の取付位置から裾の下端までの直線距離
■バスト:胸回りをぐるりと1周した寸法
■袖丈:肩の頂点から袖の先端までの曲線距離
※サイズチャートの寸法には誤差が生じる場合があります。
※おおよその身幅(左右の脇下の直線距離)は、上記バスト寸法から2センチを引いて、半分に割った数値となります。
※「Original Garment Brothers」のレザーJKTは、スタイルによる着用感の違いはありますが、基本的にどのモデルもサイズ感を統一しています。

<価格>
13万8000円(税抜)

※全サイズ共通
※一部入金によるオーダーも可能です。詳細は「O.G.BROS.SHOP」の商品ページをご確認ください。

<カラー>
NATURAL(生成り)

<革厚>
1.3ミリ

<納期>
2025年2〜3月(順次デリバリー)

オーダーを受けてから馬革を仕込むため、タンナーの作業状況、天候等によって早まる場合もあれば、遅れる場合もあります。今後の社会情勢による流通への影響などにより、納期が大幅に遅れる可能性もあります。そのことをご理解の上、オーダー頂きますようお願いいたします。納期の遅れが発生した場合にお待ち頂けない方は、オーダーをお控えください。

納期に大幅な遅れが生じる場合には、当方より個別にご連絡を差し上げますので、納期内(2025年2〜3月)における詳細スケジュール等のお問い合わせはご遠慮頂きますようお願いいたします。「1日でも早く手にしたい」と思って頂けることは非常に嬉しいことですが、当方からファクトリーに個別の納期確認をする度に作業がストップしてしまうため、ご理解とご協力をお願いいたします。

例年、1か月半ほどのオーダー期間を設定していますが、想定以上のオーダーが集まった場合には告知することなくオーダー受付を終了させて頂くことがあります。

次号「The Magazine 004」を進呈。

レザーJKTをご注文頂いたブラザーには、次号「The Magazine 004」を進呈いたします。「The Magazine 004」の発刊は、2025年春を予定しています。完成次第、スマートレターにてお届けいたします。

以下も必ずご確認ください。

※お一人様、各モデル一着のオーダーとさせて頂きます。異なるモデル(例えば「OG-2」と「OG-15」)、同一モデルでも色違い・素材違い(例えば「OG-2」の赤馬と鹿革など)は可能です。
※オーダー時に商品代金の全額(別途送料含む)、もしくは一部前金として3万円(税抜)のお支払いをお願いします。
※一部前金として3万円(税抜)をお支払い頂いた場合は、ジャケット完成時に残金10万8000円(税抜)+送料1000円(税抜)をお支払い頂きます。
※メールによるジャケット完成のご連絡後、5日以内に残金のお支払いをお願いいたします。
※完全受注生産のため、いかなる理由でも予約のキャンセル、モデル変更、サイズ交換、返品、返金はできませんのでご注意ください。
※シワやシボの量や場所、サドルホースの色味には個体差があります。それらに関するリクエストやお問い合わせ、クレームは一切お受けできません。
※天然の「傷」「血筋」「トラ目」などが入る場合もあります。
※サイズチャートの寸法には誤差が生じる場合があります。
※写真は実際の商品の色味と異なる場合があります。
※写真のジャケットは着用サンプルです。
※移染する場合がありますので、他の衣類や物に接する場合はご注意ください。
※炎天下の車内や火の近くなど、高温になる場所での保管や着用により、ジッパーが熱くなることがあります。くれぐれも火傷にご注意ください。
※肌や体に異変を感じた場合はすぐに着用を中止し、医師にご相談ください。
※火傷やその他の怪我など、いかなる場合でも責任を負い兼ねます。
※当製品における他製品への、色移り、汚損、破損、欠損、損害など、いかなる場合でも責任を負い兼ねますので、取り扱いには十分ご注意ください。
※オーダーを頂いた時点で、上記(納期も含む)、「O.G.BROS.WEB」「O.G.BROS.SHOP」内のすべての記載事項について、ご了承頂いたものとさせて頂きます。

オーダーは「O.G.BROS.SHOP」にて

O.G.BROS.SHOP

<メール受信に関して>
主に携帯キャリアメール(docomo、ezweb、softbankなど)において、オーダー時の自動送信メールは届いているにも関わらず、その後の手動メールが届かない事例が多発しております。オーダー確認後、1〜2日以内には必ず手動メールをお送りしていますので、オーダー手続きから3日以上経過してもメールが届かない場合には、大変お手数ですが(shop@ogbros.shop-pro.jp)までご連絡頂けますようお願いいたします。

オーダー前に、ショップアドレス(shop@ogbros.shop-pro.jp)の受信設定をして頂くと確実です。

Gmailアドレス宛の場合、迷惑メールフォルダなどの別フォルダに振り分けられることも多くなっておりますので、お問い合わせ前にご確認くださいますようお願いいたします。