重要な内容なので、ぜひ読んで頂きたい。
2022年モデルのレザーJKTについて語る前に、価格改定についてお伝えしたい。価格改定に至った経緯、新たな設定価格、ファクトリーやオガワの思いは「The Magazine 002」(完売)にて詳しく説明させて頂いた。ここにあらためて掲載するので、ご一読頂ければ幸いだ。
(以下、2022年7月発刊時の掲載記事を原文のまま掲載)
2022年から、「Original Garment Brothers」が販売するレザーJKTの販売価格を改定させて頂くことになった。生産をお願いしているワイツーレザーの価格改定に連動する形となる。
ブラザーもご存知の通り、昨今、身の周りの様々なものが値上がりしている。生活必需品から嗜好品、食料品に至るまで、「値上がり」に関連するニュースを耳にしない日がないほどだ。
オガワ自身、時代の流れと共に価格変動が起きることは重々理解している。納得もしている。だが、モノを作り、販売する立場として、その主な理由と経緯を購入者であるブラザーに伝えるべきだと考えている。そこで、大阪のワイツーレザーを訪れ、価格改定について話を伺った。
ワイツーレザーでは、今年の秋冬モデルから販売価格を8〜10%ほど値上げすることが決まっている。ジッパーやボタンなどの金属類、ライニングの生地、鞣し剤、染色コストなど、様々な要因があるが、原皮の値上がりがもっとも影響している。特に牛革よりも馬革、なかでも上質な原皮の値上がり率が高い。
ひと口に馬革と言っても品質は千差万別。ワイツーレザーが使うのは、
■大判(大きい)
■1.3ミリ以上の厚みが取れる
■傷が少ない
という、最高品質の条件を満たした馬革だ。どれかひとつでも欠ければ、たちまち製品の品質低下に繋がる。傷が多い馬革は顔料を吹き付けることで隠すことができるが、ワイツーレザーが作るジャケットの大半を占める染料仕上げでは、原皮の良し悪しが如実に表れる。だからこそ、高品質な原皮の入手は必要不可欠となる。
ワイツーレザーのジャケットは、高品質でありながら非常に良心的なプライスに設定されている。その背景にはワイツーレザーのモノ作りに対する真摯な姿勢、たゆまぬ努力が存在する。
「無理に安くすることもなければ、高くすることもない。真面目に正直に、適正価格に設定しているだけ」と梁本社長は語る。
「高いモノは良いモノだ」という先入観を持った人は意外と多い。他ブランドの高額なレザーJKTに慣れ親しんだ人の多くは、ワイツーレザーの良心的なプライスに半信半疑になる。だが、実際に袖を通すことで品質の高さを実感し、いつしか熱烈なファンになることが多い。
馬革の手配では、一般的な期間よりも先を見越してタンナーにオーダーする。タンナーの立場からすれば先の計画が立てやすく、安心もできる。ワイツーレザーにとっても、時間を掛けて馬革を選別でき、ジャケットの高い品質レベルを維持することができる。
だが、リスクもある。予定通りにレザーJKTが売れなければ、馬革は大量な在庫として残ってしまう。「そこは腹を決めるしかないんだよ」同席した梁本会長が笑いながら放ったひと言に、職人としての誇りと覚悟を感じずにはいられない。
ワイツーレザーが長年貫いてきた、モノ作りに対する真面目な姿勢。それは、多くファンや全国の取扱店にも、しっかりと認められている。その証に、値上げを行ったにも関わらず、今シーズンは昨年を上回るペースで秋冬モデルのオーダーが集まっているという。
もちろん、値上げをしても十分良心的なプライスであることに変わりはないという、オガワの個人的な意見も付け加えておきたい。
「Original Garment Brothers」がリリースする、すべてのレザーJKTは、そんなモノ作りに絶対の自信と誇りを持った、プロフェッショナルたちの手から生まれる。
具体的には各モデル共、5000円(税抜)の値上げをさせて頂く予定だ。昨シーズンの販売価格が12万5000円(税抜)だったので、今シーズンは13万円(税抜)となる。
オージーブロスに関わるすべての人が、ハッピーにならなければいけないと考えている。ファクトリーの仲間たちにはモチベーション高くモノ作りに向かってもらいたい。オガワ自身もモノ作りを生業としてエキサイティングな日々を送りたい。
なによりも、値上げによってご負担を掛けてしまうブラザーには、必ずそれ以上のワクワクをお届けしたいと考えている。
これからも「Original Garment Brothers」を、よろしくお願いいたします。