Detail of「OG-23 Brown」

「OG-22」「OG-23」Crocodile Wallet

情熱を注ぎ込んだ、第3のウォレット。

「Original Garment Brothers」が発表してきた「二つ折りロング」「ラウンドジッパーショート」に続く、ウォレットの3rdモデル。それが2023年にリリースした、ラウンドジッパーロング「OG-18」である。

オガワの中ではひとつの区切りであり、「ウォレット三部作」を完結させたプロダクトと言っても過言ではない。並々ならぬ情熱とこだわりを注ぎ込んだ自信作だ。

「OG-18」のページで詳細をレポートしているのでここでは簡単に説明するが、このウォレットを企画するにあたり、譲れない「ふたつのディテール」があった。

「くの字」のマチを使わない。

ラウンドジッパーのロングウォレットでは、小銭入れの両サイドに「くの字」のマチが付いた札入れがレイアウトされることが多い。「くの字」のマチによってウォレットは大きく開き、収納物へのアプローチが容易になる。その使い勝手の良さから多くの人々に支持され、多くのブランドが採用している構造だ。

だが、オガワは「くの字」のマチが苦手だ。収納時に紙幣がマチに干渉することがあるからだ。些細な干渉や違和感は、やがて大きなストレスになる。

そして、ウォレット内部はプライバシーの極みだ。オガワとしては大きく開くウォレットよりも、必要最小限の開口でありながら抜群に使いやすいウォレットを作り上げたかった。

カードは「差す」より「置く」。

一般的なウォレットのカード収納は、革と革の間にカードを挟み込む構造だ。ひとつの収納部に、カード1枚もしくは2枚を差し込むことが多い。

この構造はシンプルな反面、革が馴染むまでカードの出し入れがきつい。さらに、二つ折りウォレットのように指先で自由にアプローチできる場合は問題ないが、スペースが限られるラウンドジッパーでは少々使いづらい。

そのためには、ショートウォレット「OG-9」でも採用した「箱状の空間」によるカード収納&札入れが不可欠となる。

これら「ふたつのディテール」を採用し、何度もサンプル製作を繰り返した後に完成したウォレットが「OG-18」である。

今回リリースする「OG-23 Brown」は、「OG-18」のデザイン&ディテールはそのままに、表革にナイルクロコダイルを奢った特別モデル。ややムラのあるダークブラウンに染め上げたナイルクロコとロングウォレットのマッチング。威風堂々たる姿は、まさに唯一無二のプロダクトである。

ウォレット内部は中央に「小銭入れ」、その左右に「札入れ」と「カード収納」をレイアウトしている。ラウンドジッパーでありながら、開口は4〜5センチ。

「4〜5センチほどしか開かなくて、カードや紙幣の出し入れは問題なく行えるのか」と思うかもしれないが、心配は無用。4〜5センチというのは、ジッパーを開いた静止状態での開口幅となる。実際の使用時は、革の柔軟性に加え、収納物を取り出そうと無意識にウォレットを広げるので、もう少し開く。

実際にカードや紙幣を取り出す状態で開口幅を測ったところ、7〜8センチほどだった。これくらい開けば、カードや紙幣はストレスなく出し入れできるのでご安心頂きたい。

革のスペーサーを挟むことで「箱状の空間」を作り出したカード収納。「差す」のではなく「置く」ことで、ストレスフリーな出し入れを実現している。左右のスペースに各3枚、合計6枚程のカードを収めるのが、使い勝手も見た目もスマート。ボトムを上げ底にしているので、カードが沈み込むことなく、適正な高さに収まる。

カード収納の両側にも収納スペースがある。領収書やパーキングチケットの収納に都合が良い。

札入れも「箱状の空間」にしているので、抜群の収納力を誇る。一万円札を20枚、千円札を15枚、合計35枚を収めてみたが、まったくストレスを感じない。

札入れの外側にも収納スペースがあるので、上写真のように一万円札を分けて収納しても使いやすい。

レザーJKT「OG-2」と同タイプのユニバーサルジッパー。テープカラーは、馬革バッグ「OG-6」やクロコバッグ「OG-19」と同じ茶褐色だ。

他のウォレットと同様、「OG-23 Brown」も「ヘリ返し」によるエッジを採用している。一般的な貼り合わせて磨き上げるコバよりも、力強さと高級感を感じさせてくれるディテールだ。

「OG-23 Brown」はカッチリとした「箱」のような握り心地が所有欲をビンビンに満たしてくれるウォレットだ。今回の製作数は8個と非常に少ないが、ご検討頂ければ幸いである。