「OG-9」オーダー開始。(終了)

「OG-9」Short Wallet

唯一無二のショートウォレット。

「小さなウォレットが欲しい」そう思い立ってから約4か月。ようやく、ブラザーに自信を持ってお届けできる環境が整った。

「Original Garment Brothers」が発表するすべてのプロダクトに共通して言えることだが、この「オーダー開始」の告知記事を書く時はいつも、目頭が熱くなる。

何十回、何百回、職人と密に連絡を取り合い、工房に足繁く通い、お互いのアイデアをぶつけながら、不具合があれば都度修正し、ようやく辿り着いた完成形。

そのプロセスを思い返すと、込み上げてくるものがある。感無量。この瞬間は、自分自身に捧げる最高のご褒美でもある。

私が「Daytona BROS」というアメカジ雑誌の編集長だった頃、寝る間も惜しんですべてのページを校了した後、最後に作るページが巻末コラムだった。何の制約も受けず、自由に書き連ねる1ページ。それを「自分へのご褒美」と読者に伝えたことがあった。

この「オーダー開始」の告知記事を書きながら、ふと当時のことを思い出し、懐かしい気持ちになった。

だが、今、このページを見てくれているブラザーにとって、そんなオガワの昔話には興味がないだろう。何よりも「OG-9」の詳細が知りたいはずだ。

さっそくディテールを紹介していこう。

試作を繰り返し、辿り着いたディテール。

ウォレットの内部レイアウトはシンプルを貫く。中央に小銭入れ。その左右に、札入れとカード収納を設けた。

小銭入れは見た目以上の収納力がある。ボトムに縫い目がないため、小銭が非常に取り出しやすい。

ストレスフリーな出し入れを実現するため、カード&紙幣の収納部の両サイドに3ミリ厚の革パーツを挟み、空間を作り上げた。ここに使用頻度が高いカードを重ねて収納する。「差し込む」のではなく「置く」のだ。

5枚前後のカードであれば、まったく問題なく収納可能だ。束で取り出し、束で戻す。抜群に使いやすい。

交通系ICカードや会社のタイムカードなど、頻繁に取り出す必要がないカードは、ベース部分との間の収納スペースに忍ばせておけばいい。

紙幣は半分に折って収納する。紙幣は金額によって大きさが異なるため、メインの収納部には使用頻度が高い千円札。五千円札と一万円札は、ベース部分との隙間に収納して頂きたい。

最大収納枚数を試したわけではないが、20枚ほどの紙幣であれば収納可能だろう。

必要にして十分な収納力。

上写真は、実際にオガワが使用している状態の「OG-9」。支払い時に受け取った領収書は、折りたたんで、札入れもしくは小銭入れに一時保管。自宅に戻り次第、すぐに取り出し保管する。

個人事業主にとって領収書は大切だ。領収書が溜まりがちなロングウォレットに比べ、「OG-9」は定期的に整理する習慣がつく。

「ちょっとコンビニ」ウォレットが当初のテーマだったが、実際に使ってみると十分過ぎる収納力がある。

ただし、小銭でパンパンになるのは極力避けたい。「OG-9」を使い始めてから、オガワ自身、急速にキャッシュレス化が進んでいる。ドライバーの必需品「JAF会員証」も「デジタル会員証」に変更したため、今は「OG-9」には入れていない。

「OG-9」は職人の技も存分に楽しむことができるレザープロダクトだ。ウォレットの表革から内部まで、約11ミリの革の層をひと針で貫くステッチは見応え十分。

「YKK」にオーダーした特別仕様のジッパー。スライダー&引き手はレザーJKT「OG-1」「OG-2」と同型のユニバーサル。テープカラーは馬革バッグ「OG-6」と同じ茶褐色を採用した。

ウォレット表革にはレザーJKT「OG-2」の馬革を使う。エッジを「ヘリ返し」にすることで、レザーJKTの袖口のような、擦れによる「茶芯」を楽しめる。表面処理を施していない素上げの馬革は、使い込むほどに迫力の表情を見せる。
※上写真はロングウォレット「OG-3」(生産終了)

価格は2万7000円(税抜)。

このクオリティとマテリアルを考えれば、かなりリーズナブルに設定させて頂いたつもりだ。ショートウォレットながら、仕立ての時間や手間はロングウォレットよりも掛かるプロダクトだ。

当初のテーマは「ちょっとコンビニ」ウォレット。あまり高額では気軽にコンビニにも行けなくなる。そして、オガワ自身、これほど使うことが楽しいウォレットに出会ったことがない。そのワクワクをブラザーと共有したく、2万7000円(税抜)に設定させて頂いた。

納期は2か月〜3か月ほど。

製作レポートを見て頂ければわかると思うが、とにかく「OG-9」の仕立てには時間が掛かる。裁断前の栃木サドルを日光浴させる必要もある。よって、納期は2〜3か月を予定している。

もちろん、2か月も掛からずデリバリーできる場合もある。先ほど亀太郎氏から「ブラザーをあまり待たせないように気合いを入れる」とLINEが届いたばかりだ。

サイズは約110×95ミリ。厚みは約30ミリ。

バッグの内ポケットにスッポリと収まる、手頃なサイズ感が心地良い。ロングウォレットに慣れていると、デニムパンツのバックポケットに完全に収まることも新鮮に感じる。

素上げの馬革を楽しみ尽くす。

「OG-9」で使う馬革は、革の表情をダイレクトに楽しめる「素上げ」の馬革だ。革の表面に一切の処理を施していないため、天然の「傷」「皺」「血筋」「虎目」などが存在する。そのことをご理解の上、オーダーして頂きたい。

(上写真は「OG-8」)

「傷」「皺」「血筋」「虎目」など、革の状態や個体差によるキャンセル、返品、返金、交換は一切受けられないのでご注意頂きたい。また、均一で無表情な革で作られたウォレットを求めている人には「OG-9」はオススメできない。

オガワが使い込んでいる「OG-3」(上写真)にも、天然の長いキズが入っていたが、今では最高のスパイスとなって、ウォレットに迫力を与えてくれている。

「OG-9」の魅力は、ひとつではない。手触り、質感、匂い、重さ、機能、馬革の表情、経年変化……。それらは実際に手にしたブラザーでなければ体感できない魅力だ。

伝説の革職人、亀太郎氏が本気で仕立てる「OG-9」を、新たな相棒として迎え入れて頂きたい。

ご購入は「O.G.BROS.SHOP」にて

THANK YOU SOLD OUT