だから、赤馬は楽しい。

Leather JKT 2023

AGING OF OG-2 RED BROWN

もしかしたら、前レポートで長々と書き連ねたことを、一瞬で覆すことになるかもしれない。

茶下地の黒い馬革が、着込まれることで表面が擦れ、次第に茶色味を帯びるように、「赤馬」も表面が擦れて次第に下地のキャメル色が現れる。

つまり「赤馬」の赤味は、遅かれ早かれ、次第に色褪せていく。染色された天然皮革では至極当然のことであり、人はそれをエイジングと呼ぶ。

ここで紹介する「赤馬OG-2」は、2022年春からオガワが着用している個体。まだ1年半ほどだが、夏場もエアコンでキンキンに冷やした仕事部屋で着用。風呂と就寝時以外は袖を通していたので、秋冬の週末のみ「赤馬OG-2」に袖を通すブラザーと比較すれば、時間にして4〜5シーズン分は着込んでいると思う。

表面が擦れ、下地のキャメル色が滲み出てきた雰囲気に萌えている。茶下地の黒馬とは異なる新鮮な景色。襟元の色落ちが激しいのは、ベッタリと塗ったポマードの影響と推測。「赤馬」に限らず、他の馬革JKTも同様なので、ポマードの成分が影響しているのかもしれない。

10年後、新たな楽しみがやって来る。

オガワには密かな愉しみがある。10年後、この相棒はさらに表面が擦れ、風格を増しているだろう。おそらく褪色も進み「赤馬」から「朱馬」になっているかもしれない。その姿が気に入れば、そのまま。

「赤馬」に懐かしさを感じたら、オガワ自身で手染めを行う。ハケで塗るのか、バレンで刷り込むのか、どんな表情に生まれ変わるのか。想像しただけでワクワクする。

だから、「赤馬」は楽しいのだ。