傷だらけのクロコが見たい。

「OG-19」Crocodile Bag

強烈な欲求は突然訪れる。

若かりし頃からレザーJKTに慣れ親しんできたオガワは、新品の馬革JKTの5年後、10年後の姿を、朧げながらイメージすることができる。ウォレットに使う栃木サドルがエイジングした飴色の姿も同様だ。

脳内に描く、将来のイメージを現実のものとして手に入れるために、プロダクトを企画し、作り上げ、使い込み、愛でる。オガワの生業でありライフワークとは、その繰り返しとも言える。

ある日、ふとした欲求が舞い降りた。傷だらけのクロコダイルを見てみたい。使用に伴う些細な傷や擦れではなく、相棒として、道具として、容赦なく使い込んだ後の姿だ。

クロコダイルを使ったウォレットは、今まで何度も手にしてきた。どれも素晴らしい逸品だが、「傷だらけの姿」とは程遠い。

イメージできそうで、できない。
だからこそ、見たい。

高級皮革の代名詞でもあるクロコダイル。白手袋で慎重に扱い、限られた時に使う、特別なプロダクト。多くの人々がクロコダイルに抱くイメージだろう。数百万円、数千万円で取引される世界的高級ブランドのクロコバッグの存在が、高級で稀少なイメージをさらに増幅させる。

腑が美しく並んだクロコダイルを、傷や擦れを気にせず、徹底的に使い込む。形崩れも厭わない。その先に抱く感情は、後悔か、恍惚か。

ベースはオガワが愛して止まない馬革バッグ「OG-6」がいい。デザイン、大きさはそのままに、オールクロコダイルで仕立てる。

未だ見ぬ景色を探し求める、モノ作り。
こんなにワクワクすることはない。