第三のウォレット、始動。

「OG-9」Short Wallet

今度はラウンドジッパーがいい。

「Original Garment Brothers」では、これまでに2タイプのロングウォレットを発表してきた。ミシン縫いの「OG-3」。そして、手縫いの「OG-8」。

今回製作するショートウォレットは、これらに次ぐ、第三のウォレット。「OG-9」の品番を与えることにした。

スタイルはどうするか。

あくまでオガワの個人的な好みの話だ。ショートウォレットの場合、二つ折は落ち着きが悪く、いまいち好きになれない。長さが短い分、デスクに無造作に置いた時に「半開き」になるイメージがある。もちろん、すべてがそうではないことも理解しているが……。さらに、「OG-9」で実現しようとしているカード収納&札入れの仕様は二つ折りに向いていない。

これらの理由から、スタイルはラウンドジッパーを採用することにした。

構造をシンプルにし、本体を薄く仕上げるために「L型ファスナー」を採用するショートウォレットも多いが、これまた好みではない。いわゆる「左右非対称」が嫌いだ。「左右対称」がいい。

話は逸れるが、今季もリリースを予定しているGジャンタイプのレザーJKT「OG-5」において、左胸のポケットを省略したのも、「左右非対称」嫌いが要因のひとつとなっている。

プロダクト同士もブラザー。

2018年に立ち上げた「Original Garment Brothers」。今までレザーJKT、デニムJKT、冬用JKT、レザーウォレット、馬革バッグなどを発表してきた。

作り手と使い手がワクワクを共有するブラザーであるように、世に送り出すプロダクト同士もブラザー的関係となるように、共通のマテリアルや意匠、ディテールを採用することを常に意識している。

「OG-9」の表革には、ロングウォレットと同様にレザーJKTの馬革を採用する。

レザーJKTの袖や裾、エンジニアブーツの履き口のように、表面のブラック層が擦れて下地のブラウンが現れる「茶芯」。その経年変化を最大限に楽しめる「ヘリ返し」のエッジも継承する。

手にした瞬間の手触りや匂い、質感はそのままに、ショートサイズに仕立てる。「OG-9」は、すでに「OG-3」「OG-8」を所有しているブラザーにも満足してもらえるはずだ。

ファスナーのスライダー&引き手には、レザーJKTと同型のユニバーサルを奢る。ゴールドカラーは使い込むほどに、渋い表情を楽しませてくれる。

ファスナーテープの色は馬革バッグ「OG-6」と同じ茶褐色を採用することにした。数十、数百というテープカラーの中から選び出した茶褐色。骨太なプロダクトに抜群の相性を見せる。

イメージは固まった。マテリアルやパーツも決まった。次なるステップは、脳内のイメージをカタチにすることだ。サンプルの製作に取り掛かろう。