オヤジたちの相棒を作る。

「OG-14」Field JKT(End)

パターンこそ、命。

「OG-14」に限らず、すべての「Original Garment Brothers」のプロダクトの出発点は、絵心の無いオガワが描くスケッチだ。この1枚のスケッチが、多くの職人たちの協力によってひとつのカタチになる。そこに浪漫、そして職人たちへのリスペクトと感謝の念を抱き続けている。

ジャケットのシルエット、着心地を左右する重要なパターン。現在、レザーJKT以外の衣類のデザインは、すべてテンフォーワンの山地代表にお願いしている。数十年に渡り、一流ブランドのパターンを手掛けてきたプロフェッショナル。

一見コワモテだが、気さくで優しいアニキ的存在だ。オガワが好むシルエットやサイズ感を把握し、常にベストな数値を導き出してくれる、オージーブロスに欠かせない職人。既にリリースしている「OG-4」「OG-7」「OG-10」も、すべて山地代表にパターンを引いてもらっている。

「OG-14」は「OG-7」と同じダック生地を使うが、ライニングが無い一枚仕立て。「OG-7」ほど防寒性は高くはないが、クルマでショッピングモールに行く時のように、屋外滞在時間が少ない場合には、真冬でも使い勝手は良い。

それでも少々寒いという場合には、インナーにネルシャツをなどを着用し「OG-7」と同等の防寒性を確保できるようにしたい。

そこで、「OG-14」は「OG-7」のパターンをベースに使い、ブランケットのライニングを取り外した程度のサイズ感に設定することにした。もちろん、着丈や各部デザインは「OG-14」のためにアレンジされる。

主人公は、すべてのオヤジ。

オガワは現在47歳。日々、メタボ体型に磨きを掛けている。オージーブロスのブラザーは、40〜60歳代のオヤジ世代が多い。よって、作り出すプロダクトは「オヤジに似合うこと」が絶対条件だ。

スタイルの良いイケメン外人モデルに着させることはしない。そんな写真を掲載するくらいなら、おデコがテカった暑苦しいオガワの着用姿を掲載する。多くのブラザーは「オレが着た方がカッコいいじゃねぇか」と思うはずだ。そうでなければいけない。

デザインは徹底的にシンプルを貫く。装飾は要らない。使わないディテールも要らない。個性を主張するギミックも嫌いだ。

デニムJKT「OG-4」やライニング付きの「OG-7」では背中を上下で分割するヨークを設けた。だが、馴染むまでは硬くゴワつくダック生地による一枚仕立ての「OG-14」では、ヨークのステッチ部分が着心地を損ねる。そこで背中は一枚のパーツで仕立てることにした。

若者であれば少々無理をしてでもお洒落を楽しめるだろうが、オヤジ世代はそうはいかない。少しのストレスがやがて大きなストレスとなり、結局、袖を通さなくなる。だから、着心地にも徹底的にこだわるのだ。

唯一お願いするとすれば、「OG-14」が体に馴染むまでは、ダック生地がゴワつくことを我慢してほしい。だが、数か月もしくはワンシーズンも着込めば、驚くほど柔らかくなり、体に吸い付く感覚が楽しめることを約束させて頂きたい。

己の流儀を貫く。

オガワはモノ作りに関しては神経質だ。ジャケットの寸法、1センチ、いや5ミリの違いでも、気になれば再度修正してサンプルを作る。縫製や洗いによる縮みの誤差と言われるかもしれないが、自分自身が納得できるまで何度でもサンプルを作り直す。

自分が納得のいくプロダクトを作り上げなければ、オガワのモノ作りに賛同し、プライスの大小に関わらず、大切なお金を払ってくれるブラザーに対して申し訳が立たない。

だから徹底的に自分自身を追い込む。カッコ良く言わせてもらえば、オガワの流儀を貫く。

「OG-14」でも、それは変わらない。山地代表に叩き台となるパターンを引いてもらい、ファーストサンプルを製作。それを徹底的に着込み、問題点を洗い出す。真夏だろうが、エアコンをキンキンに効かせて、徹底的に着込む。

肩幅、アームホールの大きさ、袖の取り付け角度、袖の太さ、袖丈、ウエストの絞り……。微調整を施して、再度サンプルを作る。そうして、ようやく理想のパターンに辿り着くのだ。