ウォバッシュパンツを作る。

「OG-17」Wabash Pants

赤馬専用という考え方。

ここ数年、オガワは2本のボトムで過ごしてきた。メインとなる1本は、2020年に発表した「OG-10」。14.5オンスのセルビッチデニムで仕立てた、ワイドなデニムパンツ。時代に逆行する極太シルエットが気に入っている。

もう1本は「Daytona BROS」の編集長時代、2011年に雑誌オリジナルモデルとして製作、販売したウォバッシュパンツだ。ライトな生地を使っているので夏場専用。当時、自分用に数本を確保し、長年愛用してきた。

だが、10年以上が経過し、ストックは最後の1本。全体的に色落ちも進み、生地も薄くなってきた。近い将来、ダメージが発生することは想像に難くない。

残暑が厳しかった、2021年9月。赤馬「OG-15」のサンプル製作に立ち会った時も、ウォバッシュパンツを穿いていた。完成した「15」に袖を通し、確認用に何気なくiPhoneで撮影した1枚。疲れ切ったオガワのテカテカの顔を除けば、この雰囲気が最高に気に入った。

赤馬専用パンツ。

ふと、頭にそんな言葉が浮かんだ。手染めによるムラの強い赤茶色の馬革とウォバッシュストライプのマッチング。どことなくヤンチャ、それでいてアダルトな佇まい。大好物だ。

問題もある。前述の通り、編集長時代から愛用してきたウォバッシュパンツは、ライトな薄手の生地。赤馬に袖を通す秋冬シーズンは、脂肪で武装したメタボなオガワでもさすがに寒い。

ならば、作ろう。

長きに渡り穿き続けてきた「Daytona BROS」のオリジナルモデルを真似するつもりは、まったくない。厚過ぎず、薄過ぎず、夏も冬も穿ける生地。極太だった「OG-10」よりもスッキリとしたシルエット。完全オリジナルのウォバッシュパンツを作ろう。

ここまでの経緯は「The Magazine 002」でお伝えした通りだ。

プロジェクトが動き出したのは約1年後、2022年8月。

「Original Garment Brothers」では、常に複数のプロジェクトが同時進行している。「多忙」という自己防衛の言葉を盾に、約1年もプロジェクトを放置していた自分が情けない。

14.5オンスデニムの「OG-10」ではさすがに暑くなり、久し振りにウォバッシュパンツに足を通した時だった。ポケットなど各部の生地はさらに薄くなり、いよいよダメージ発生へのカウントダウンが始まっていることに気付いた。

ようやく、尻に火がついた。

すぐに「Original Garment Brothers」のコットン製プロダクトの生産をお願いしているアパレルナンバの難波社長に電話を入れ、岡山児島へと向かった。