今あらためて、10.5オンス。

「OG-17」Wabash Pants

すべてはこの1本から始まった。

1本の穿き古したパンツから「Original Garment Brothers」のウォバッシュパンツ作りは始まった。その1本とは「Daytona BROS」の編集長時代、雑誌のオリジナルモデルとして製作したウォバッシュパンツだ。

取材に走り回り、スタジオ撮影で汗だくになり、締め切り前は編集部に寝泊まりする日々。抜群に動きやすく、そして涼しい約10オンスのウォバッシュパンツは、編集者オガワの最高の相棒になってくれた。

2023年に発表した「Original Garment Brothers」初のウォバッシュパンツ「OG-17」は、長年愛用したこの1本をベースにしつつ、シルエット、ディテールを変更。使用する生地も、冬場は少々寒く感じる約10オンスから、一年を通して穿き続けられる13オンスへと変更した。

この「13オンス」は、オガワにとって厚過ぎず、薄過ぎず、快適に穿きこなせる理想の厚さ。後にリリースしたブラックのウォバッシュパンツ「OG-17B」にも継承したベストオンスである。それは、この先も変わることはない。

猛暑が生んだプロダクト。

だが、である。

今年4月、かつての「Daytona BROS」オリジナルモデルとほぼ同等の10.5オンス、そして同じ色のウォバッシュ生地を探し出し、岡山児島の生産ファクトリーであるアパレルナンバの難波社長に新しいウォバッシュパンツを1本、仕立ててもらった。前々からの予定はなく、急遽製作を依頼したウォバッシュパンツだ。

品番は「OG-17S」。「S」は「Summer」を意味する。

2023年の発表以来、オガワは季節を問わず13オンスの「OG-17」を愛用してきた。昨年からは、同じく13オンスのブラックウォバッシュパンツ「OG-17B」を愛用している。この先も日常の相棒として「17」「17B」と付き合っていくことは間違いない。

だが、年々気温は上昇し、夏には40度に迫る日も珍しくなくなった。秋と呼ばれる時期までも猛暑が続く。

間もなく52歳を迎えるオガワにとって、近年の猛暑は命の危険を感じるほど。しかも、頭はポマードを塗りたくったオールバックだ。頭をラップで密封しているような状態ゆえ、通気性は極めて悪く、熱中症のリスクも高まる。

そんな日は、かつての「Daytona BROS」オリジナルのウォバッシュパンツにこっそりと足を通し、涼しさと快適な穿き心地、そして身の安全を手に入れていた。

今年の夏も暑そうだ……。ふと思った時、猛暑でも「17」や「17B」を穿いてくれるブラザーへの申し訳なさ、後めたい気持ちで急に心が苦しくなった。そして、オガワと同じく夏の暑さに身の危険を感じているブラザーに、少しでも快適なウォバッシュパンツを届けたいという気持ちが込み上げてきた。

今回、10.5オンスのウォバッシュパンツを急遽製作し、お裾分け程度の少量生産ながら販売させて頂くことにしたのは、そんな理由からである。

10.5オンス=ヤワではない。

「ライトオンス」と聞くと、反射的に「薄い」「耐久性が心配」と敬遠するブラザーもいるかもしれない。だが、既存モデル「OG-17」で使っている13オンスデニムと比較して……ということが前提であり、決して軟弱なパンツではない。

そもそも、巷で販売されているウォバッシュパンツやウォバッシュシャツなどは、9〜11オンスが主流。10.5オンスは決してヤワではなく、一般的なウォバッシュパンツの生地厚と言える。

上の写真は、雑誌編集長時代から10年以上付き合ってきた、約10オンスのウォバッシュパンツの姿。生地が薄くなってきた箇所もあるが、まだまだ現役。

しかも「OG-17」シリーズではフロントポケットをスレーキ仕様に変更し、バックポケット内部は全面に別布を貼って補強。さらにタフなウォバッシュパンツへとアップデートしている。

先述の通り、品番に「Summer」を意味する「S」を与えたが、決して夏だけのパンツではない。近年の日本の気候を考えれば、間違いなく真冬を除く3シーズン愛用可能なウォバッシュパンツである。

デイリーユースはもちろんのこと、ウォバッシュパンツ本来の役目でもある作業着として穿き倒してもいい。迎えてくれたブラザーのライフスタイルに、「OG-17S」はしっかりと溶け込む実力を備えている。

仕事柄、オガワも雑誌編集長時代は数多くのパンツを所有していた。現在は大半を手放してしまったが、穿き慣れた約10オンスのウォバッシュパンツだけは手放さず残してきた。それほど使い勝手が良く、1本持っていると何かと役に立ってくれる存在なのである。

10年以上愛用し、股やポケットの生地が少し薄くなってきた相棒を労りつつ、特に夏場を中心に新たな「OG-17S」と付き合っていきたい。