ブラザーの声が生んだ「茶馬の6」。

「OG-6」Leather Bag

奥様ウケが悪かった「黒馬の6」。

多くのブラザーにご愛用頂いている馬革バッグ「OG-6」。人気の高さに比例して、多くの問い合わせがオガワの元に届く。「ショルダーストラップを付けてもらえないか」「もう少し大きくできないのか」など内容は様々。それだけブラザーが真剣に考えてくれていることが嬉しい。

そんな中、意外と多く寄せられる、同じ内容の問い合わせがある。問い合わせというよりもリクエストに近い。

「奥さんに購入を相談したらガラが悪いと言われた。もう少しカジュアルな色違いのモデルやダイヤキルト無しのモデルなら許可が下りそうだ。ぜひ作って欲しい」という声。意外だが、これが実に多い。

長年、雑誌編集を生業とし、自宅にほとんど帰らず、仕事と遊びの区別が付かない生活を送ってきたオガワ。何かと理由を付けて、自分だけで判断、完結してしまうクセがある。

自宅を建てた時は、嫁に伝えず勝手にバイクガレージを建てた。ハーレーやアメ車を購入する時、事前に相談、報告したことは一度もない。ある日突然、クルマがラムバンに変わっている……、それがオガワ家の日常。大好きなロレックスや珍奇な植物を買う時も同様。つくづくダメな男である。。。

そんなスタイルが染み付いているオガワにとって、多く寄せられるブラザーの声には正直驚いた。

同時にとても羨ましい気持ちにもなった。ブラザーの多くは40〜50代だ。金額的な問題ではないことは容易に察しがつく。自分の趣味を大切な奥様と共有するために相談しているのだと、オガワは理解させて頂いている。

そんな素敵な関係に応えたい。

タイミングも良かった。オガワ自身、そろそろ「OG-6」のブラウンも見てみたいと思い始めていた。クールな定番「OG-6」と双璧をなす、カジュアルな「茶馬の6」。

もしかしたら、ブラザーが手に入れた「茶馬の6」を奥様が気に入って使ってくれるかもしれない。幸せな妄想を勝手に膨らませ、「OG-6 Ver.Cha-Uma」プロジェクトをスタートさせることにした。

「オイルが走る」馬革。

さっそく生産ファクトリーであるグルーバーレザーの徳永代表に連絡。オガワの脳内イメージを伝え、ブラウンの馬革サンプルを集めてもらった。数日後、リクエストした候補の馬革の中からベストな「茶馬」を選ぶため、長野のファクトリーへ向かった。

時間は掛からなかった。

アンティークホースと名付けられた馬革。オイルをたっぷりと含んだ、ムラのあるブラウン。シボ感も強い。革が曲がると色が薄くなる。いわゆる「オイルが走る」。その表情と質感は、まさに脳内で描いた「茶馬の6」のマテリアル、そのものだった。

馬革JKTで絶大な人気を誇る「赤馬」に通ずるものも感じた。オガワだけじゃない。中毒性のある「赤馬」に魅せられた、特定少数のブラザーもきっとワクワクしてくれる「茶馬」。そう確信したのだった。