受注休止の経緯を振り返る。

「OG-6」Leather Bag(End)

フラットヘッドの仲間たちに感謝。

2019年の発表以来、毎年オーダー受付を行なってきた馬革バッグ「OG-6」。本来であれば、2022年の早い時期に第四期オーダー受付を行う予定だった。「OG-6」を心待ちにしているブラザーからの問い合わせにも、そう答えてきた。

説明するまでもなく「OG-6」は、アメカジブランドであるフラットヘッドの革部門「ストックバーグ」の職人たちに製作をお願いしてきた。

昨年12月、ストックバーグの生産体制が変更になり、バッグ類の生産を一時休止することになったと連絡が入った。当然、準備を進めていた2022年の「OG-6」も作れなくなる。

既に最終サンプルまで進み、オーダー受付開始を目前に控えていた多脂革バッグ「OG-13」については、当初予定よりも生産数をかなり少なくすることで、何とかオーダーを受けることができた。「OG-13」のレポートでも、そのことについては説明している。

フラットヘッドの仲間たちも、色々な可能性を模索してくれた。最後まで「OG-6」を心待ちにしているブラザーのことを気に掛けてくれた。だが、オガワのプロダクトのために、彼らに迷惑を掛けることもできない。

そこで、すべての状況を鑑み、フラットヘッドとのモノ作りに一度区切りを付けることにした。それが「OG-6」オーダー受付休止の経緯だ。

ハードなミッションほど、おもしろい。

「OG-6」が作れなくなる。あまりにも急な話で戸惑ったことも事実だ。だが、想定外のトラブルに見舞われた時は、己に課せられた「ミッション」と捉え、楽しむことにしている。

雑誌編集者時代から今日に至るまで、モノ作りに携わっていればイレギュラーなトラブルは多々起こる。コロナ禍の昨今においては、なおさらのこと。もちろん、今この瞬間も、各方面で数々のミッションを絶賛遂行中だ。

有難いことに「OG-6」の再販を心待ちにしているブラザーは非常に多い。裏切るわけにはいかない。少しお待たせしてしまうが、それまでの「OG-6」を超えるような新たな「OG-6」を作り上げ、ブラザーの気持ちに応えたい。その一心で動き始めた。

どこの馬の骨かもわからぬオガワのために、「OG-6」の製作を手伝いたいと連絡をくれた工房や職人もいた。こんなに有難く、そして嬉しいことはない。彼らへの感謝の気持ちは一生忘れないだろう。

オガワの理想とするモノ作りは、プロダクトにストーリーが宿っているか、仲間たちと同じ方向を向き、その瞬間のベストを共に目指せるかどうか、そこに尽きる。

新たな「OG-6」を作る。かつてないハードなミッションにして、最高にエキサイティングなミッションへの挑戦が始まったのは、2022年1月のことだった。