無理をしないタイトシルエット。

「OG-4」Denim JKT(End)

着続けるために大切なこと。

デニムJKTもレザーJKTも、着込めば着込むほど風合いを増す。異論を唱える者はいないが、私も含めて誰もが簡単に口にする「着込む」という行為こそ、実はハードルが高い。

若い頃であればエイジングのために、着心地の悪さも我慢できたが、歳をとるとそうもいかない。「若さが無くなった」と言う人もいる。それもあるかもしれないが、「モノの本質を冷静に判断する」という余裕が生まれたことが大きい。

簡単に言ってしまえば、何かを犠牲にしてファッションを楽しむのではなく、着心地、デザイン、エイジング、すべてにおいて満足できるプロダクトを求めるようになったのだ。

着ていてストレスを感じるデニムJKTを「着込む」ことはできない。ストレスフリーな「着心地」を実現するためには、「シルエット」と「デニム生地」が重要となってくる。

何事も「ほどほど」がちょうど良い。

「OG-4」に求めるシルエットは「適度なタイト感」。私にとって理想のアメリカンカジュアルとは、トップはタイト、ボトムはワイド。

タイトといっても、やり過ぎは禁物。40代、50代にもなればお腹が出てくるのは、これ仕方ない。度を越したタイトに仕立てれば、着られない中年男性が続出してしまう。何よりも、自分自身が着られなくなる。

バロメーターは己の体型。オガワの体に吸い付くようにフィットするタイト感であれば、一般体型の人には程良いタイトになる。もちろん、オガワと同体型のメタボブラザーたちも着用可能となる。

「OG-4」の理想のシルエット。

ヴィンテージのデニムJKTには、肩が落ちるデザインが少なくない。当時の時代背景や使用環境など、細かいことには知識も興味も無いが、単純に肩が落ちるジャケットが苦手だ。

そこで「OG-4」の肩幅は通常よりもやや狭く設定し、肩落ちを防止。ジャケットをしっかりと肩周りに吸い付かせる。

アームホールは小さめに設定し、そこから伸びる袖もやや細くする。「小さめのアームホール」と聞くと直感的に窮屈なイメージを持つ人もいるが、それは違う。アームホールが大き過ぎると腕を上げた時に一緒に身頃が持ち上がり、結果的に動きづらいジャケットになってしまう。

デニムJKTにおいて、長過ぎる袖丈は絶対に避けたい。少し長過ぎるだけで、急に子供っぽさが増す。よって「OG-4」では、少し短めに設定する。

着丈にも気を付けたい。高身長でスタイルが良い若人であれば、極端に短い着丈でもスマートに着こなせるだろう。でも、40代、50代ともなればそうはいかない。全体のデザインを壊すことなく、一般的なデニムJKTよりも少しだけ着丈を長くする。少しだけでいい。フロントボタンを閉めた時、ジーパンのベルトが隠れる程度。数値にして2〜3センチほどだろうか。

後ろ姿にも、こだわるべきだ。男は背中で語らなければいけない。カバーオールのように長丈のジャケットであれば問題無いが、デニムJKTでジーパンのバックポケットに掛かる着丈は中途半端に見えてしまう。フロントボタンを閉めた時に、バックポケットに掛からないギリギリの着丈。これが理想の後ろ姿だ。

意外なほど早く決まった「生地選び」。

ディテールも決まった。シルエットのイメージも決まった。残すはデニム生地。星の数ほど存在するデニム生地。アメカジ業界の定説通り「さぞかし生地選びに苦労したのでは」と思われるだろうが、実際のところ、生地は意外と早く決まった。その経緯は次回、ご報告させて頂きたい。