「OG-4」を生む、匠の技。(後編)

「OG-4」Denim JKT(End)

付属パーツの取り付け、そして完成へ。

縫製はすべて完了し、残す工程はボタン&リベットを打ち、ボタンホールを開けるのみ。さっそく後半を紹介していく。

本生産では、ボタン&リベット打ちは外部の専門工房に依頼するが、今回はサンプル一着だけなので、難波社長自らが行ってくれた。

専用の打ち駒をマシンの上下に装着し、ボタンやリベットのオスとメスをセットする。レーザーをガイドに打ち込む場所を定め、フットペダルを踏み込む。「ガチャン」と目にも留まらぬスピードで打ち込まれ、生地を貫き、固定される。

ボタンとリベットを打ち終えた「OG-4」。この佇まい、我ながら最高。

余談だが、リモワのスーツケースが大好きだ。アルミニウム合金のボディに打ち込まれた無数のリベットに興奮する。「OG-4」のフロントプリーツやポケット口にリベットを多用する理由は、そんなオガワの嗜好が影響している。

最終工程はボタンホール開け。アパレルナンバから車で約10分ほどの民家に移動。扉(実際は窓から入る)を開けると、所狭しとミシンが並び、熟練職人が作業している。

使うのは後メスと呼ばれるミシン。ボタンホール口の周囲を縫った後に、ガチャンと刃が下り、穴を開ける。

ボタンホールは上写真のようになる。穴を開けてから外周を縫うよりも、強度と耐久性が格段に向上する。フロントと袖のボタンホールを開ければ「OG-4」は完成となる。

「OG-4」はワンウォッシュでのデリバリーとなるため、今回は特別に洗い加工も撮影させてもらった。

何十着を一度にウォッシュする場合は巨大な水槽を使うが、サンプル一着だけなので小さな水槽でワンウォッシュ。

熱湯が入った水槽に「OG-4」を放り込む。

ウォッシュは約5分間。水槽を開けると熱湯が青い。こみ上げる湯気がかなり熱い。

水槽から「OG-4」を取り出し、脱水機に入れ、余分な水分を飛ばす。

巨大な乾燥機で乾燥。何十本ものジーパンを一度に乾燥できる乾燥機を「OG-4」一着のために回してもらう。感謝。約30分で乾燥完了。

裁断、縫製、パーツ取り付け、洗い……。そこに至るまでの、デニムを織る機屋、型紙を引くパタンナーなど。実に多くの職人によって「OG-4」は作られている

「OG-4」に袖を通す度に、児島の職人たちを思い出す。それも「JAPAN DENIM」の浪漫だと思っている。