すべての準備は整った。
長野へ向かう。横浜の自宅から片道約3時間。「Daytona BROS」編集長時代、毎月のように通った道。心踊る道。
ストックバーグは卓越した技を持つ職人集団だ。二階建てのファクトリーには、バッグや小物を仕立てる職人、ウォレットを仕立てる職人、カスタムオーダーを担当する職人が効率良く配置され、世界中から届くオーダーに対応している。
匠の技を間近で見る。
熟練職人によってパーツが縫い合わされ、ひとつのバッグに組み上がる工程を追う。スペースの都合上、ダイジェストでの紹介とさせて頂くが、写真に写っていないところでも、きめ細やかな手仕事が行われていることは言うまでもない。
上の写真は「HORSEHIDE MINI BAG」を構成する全パーツ。
まずはバッグ内部の縫製から。ファーストサンプルでは仕切りが無かった内ポケットも、中央で分割する。ポケット口は、バッグ本体と同じ馬革で補強する。
縫製だけでは強度が不安なので、分割部にカシメを打ち込み、しっかりと固定する。フラットヘッドの刻印が入ったオリジナルのカシメだ。
ポケットの反対サイドには「THE FLAT HEAD & STOCK BURG」の文字が打刻されたレザーパッチ。その下に「Original Garment Brothers」の織りネームを縫い付ける。レザーJKT「OG-1」やデニムJKT「OG-4」と同じ織りネームを使う。
写真はサイドとボトムのマチを縫い合わせた状態。縫製糸を「こげ茶」から「明るい茶」に変更したため、ステッチが映える。
ハンドルの縫製糸も「明るい茶」に変更。ファーストサンプルと比較して、アメカジ感、クラフト感が格段に向上。ステッチが明るくなったことで、馬革の表情も際立つ。
ハンドルに真鍮カンをセットして、カシメを打ち込む。真鍮カンは馬革同様に、経年変化を楽しむことができる。
ジッパーテープの色は、ライダースJKTやフライトJKTなどで多く採用される茶褐色。アメリカンカジュアルとの相性も抜群。
ジッパーテープに馬革のパーツを縫い合わせる。このバッグの長さに合わせて特注したゴールドのジッパー。使い込むほどにゴールドがくすみ、渋さを増す。
ジッパーテープに馬革パーツを縫い合わせた後、裏側からハンマーで叩いて整える。職人の繊細で丁寧な作業は、見ていて心地良い。
続きは後編にて。