日本刀のようなシングルライダース。

「OG-1」Leather JKT(End)

24時間、着続けられる一着。

「オガワさんが着込むとエイジングが早いですよね」とよく言われる。自分では意識していないが、そうらしい。そして、こう答える「ずっと着てますから」。仕事柄、スーツを着ることはほとんどない。秋冬シーズンは毎日レザージャケットに袖を通せる恵まれた環境であることは確かだ。

朝起きたらTシャツに着替え、使い慣れたポマードでオールバックを作る。ジーンズを穿いた後に、腕時計とアクセサリーを身に付ける。まず腕時計を左手に巻き、ファースアローズのトップ、ビルウォールのブレス、左右のリング、最後にサングラス。これがルーティンだ。

すべての装備を身に付け、レザージャケットに袖を通す。玄関に腰を下ろし、愛用のエンジニアブーツを足を落とす。戦闘モードに切り替わる。オガワにとってレザージャケットとブーツは戦闘服に近い存在だ。ポリシーはひとつ。

革ジャンは脱がない。

自宅を出て帰宅するまで、脱がない。脱ぎたくない。例外もあるが、基本は脱がない。クルマの運転、打ち合わせ、食事、取材、デスクワーク。可能な限り相棒を羽織っている。周りの白い目を気にしていては相棒は育たない。そんな己のライフスタイルと照らし合わせると、理想の一着に求めるデザインとディテールは自ずと決まってくる。

不要なディテールは潔く省く。

ベースはシングルライダースが使いやすい。襟は小ぶりが好みだ。前身頃のシワ感を楽しむためには胸ポケットは不要だ。厚みが出る内ポケットも要らない。運転時にシートにダメージを与える可能性があるウエストバックルは不要だ。パソコンを打つ時にデスクと干渉する袖ジッパー、袖ボタンも排除。フロントポケットは残すがジッパーは付けない。シンプルな後ろ姿のためにはアクションプリーツは不要。ナイロンのライニングは汗でベタつくのでコットンに限る。

もう一度、羅列する。

▪️シングルライダース
▪️襟=小振
▪️胸ポケット=なし
▪️内ポケット=なし
▪️ウエストバックル=なし
▪️袖ジッパー=なし
▪️アクションプリーツ=なし
▪️ライニング=コットン

これがオガワが理想とするレザージャケットのカタチ。一切の無駄を排し、研ぎ澄まされた日本刀のようなシングルライダースだ。