プロジェクト発足から3か月。すべての準備が整った。
2018年10月末に動き出した「Leather Wallet Project」。オガワが惚れ込んだ茶芯の馬革を外革として使い、内部は上質な栃木サドル。革のエイジングを楽しむために作り上げたウォレット。
セカンドサンプルを約1か月、ハードに使い込んだ。使い勝手は非常に良好。デザインを変更する必要は無い。唯一の変更点は「小銭入れ&札入れ部」の革の厚さだ。
特に不具合があったわけではないが、小銭やお札を出し入れする際、直感的に「もう少しコシが欲しい」と思った。そこで同部分の革パーツを0.3ミリ厚くすることにした。
これにより、不要なゴツさは無いが、アメカジ・レザーウォレット を愛用してきた人でも満足できる「かっちり感」「質感」「タフさ」を備えたウォレットが完成。
すべての準備は整った。いよいよ、発売を開始させて頂く。
「OG-1」から「OG-3」、その理由。
「OG-3」の品番を与えることにした。間も無くデリバリーが開始されるオリジナルのレザーJKT「OG-1」に続くプロダクトにも関わらず「OG-3」。なぜか。そこにはオガワの譲れない思いがある。
革が好きだ。たまらなく好きだ。オガワに革の魅力を教えてくれた存在、それは学生時代にバイト代を貯めて購入した、ザ・リアルマッコイズの「A-2」だった。戦闘服として生まれ、アメリカの兵士たちが生死を共にしたフライトJKT。装飾は皆無。一切の無駄のないデザイン。オガワの原点は「A-2」にあると言っても過言ではない。
ワガママを許してほしい。「OG-2」の品番はレザーJKTに使いたい。まだ見ぬ「Original Garment Brothers」第二弾のレザーJKTに使いたいのだ。
もうひとつ、理由がある。
「3」という数字は金運が上がる縁起の良い数字と言われる。日々、お金が出入りするウォレットには最高の数字だ。今、セカンドサンプルを手に取り、眺めている。「OG-3」という品番に違和感をまったく感じない。プロジェクト発足当時から「OG-3」の品番が与えられていたかのように、ウォレットも誇らしげだ。
「OG-3」をあらためて見渡す。
日本国内の小さなタンナー。頑固一徹の職人が秘伝のレシピで鞣す馬革。銀面と床面がブラック。中層部(芯)がブラウンに染められた、正真正銘の「茶芯」。安定供給は非常に難しい。オリジナルのレザーJKT「OG-1」用に鞣したこの馬革を半裁で数枚確保し、ウォレットの外革として使用する。
醍醐味はエッジにある。「茶芯」は表面のブラックが擦れることで、芯のブラウンが現れる。「革ジャンの袖」や「ブーツの履き口」のようなエッジに、茶芯は顕著に現れる。ならば、ウォレットで「革ジャンの袖」や「ブーツの履き口」のエッジを再現すればいい。手間と時間は数倍掛かるが、「茶芯」を楽しむにはこれしかない。
上写真は使用して約1か月の「OG-3」。エッジが擦れて少しだけ茶芯が現れ始めたが、まだまだこんなもんじゃない。さらに使い込むことで、より深いブラウンへと変貌する。
シンプルな内部は「飴色」のステージ。
日に日に表情を変える栃木サドル。将来、極上の「飴色」を楽しむために、内部レイアウトはシンプルを貫いた。「札入れ&小銭入れ」側にはカード収納は無い。この何も無い広大なスペースが、透き通るような飴色にエイジングしたら……。眺めながら酒が飲める。旨い酒のために、カード収納は片側のみだ。
旨い酒のためには「Original Garment Brothers」のロゴも不要だ。とは言え「OG-3」の品質に責任を持たなければいけない。そこで、通常の使用では見えない場所に、この「O.G.BROS.WEB」のタイトルと同じロゴを打刻。手にしてくれたブラザーだけが知り得るディテールとした。
サイズは一般的なレザーウォレットと同じ。正面から見た場合(上写真)、
■横幅:約195ミリ
■高さ:約200ミリ
カードを4枚収納し、ベース裏の収納部にもカード&免許証&保険証&名刺などを収め、小銭&札を入れた状態で、厚みは約30ミリ。
手に馴染みやすいベーシック。
使い勝手は抜群に良い。マットな質感の馬革が手に馴染む。デザインはベーシックで正解だ。「他とは違うデザイン」を「個性」と捉える人もいるが、「個性」のために「機能」が削がれては「相棒」にはなり得ない。オガワはそう思っている。
ジッパーは超定番のタロン。セカンドサンプルが届いた当初、若干の硬さと抵抗を感じたが、今はすこぶる調子が良い。心地良い音でスムーズに動いてくれている。
天然素材の醍醐味を味わう。
茶芯の馬革、上質な栃木サドル。両素材とも熟練職人が鞣す「Made in JAPAN」の革。どちらも素上げ。表情がダイレクトに伝わってくる。顔料を吹き付けて、キズを隠すこともない。キズやシワ、血筋を避けてパーツを切り出すこともしない。天然の表情こそ、革の醍醐味だ。
オガワが使うセカンドサンプルの馬革にも、線状のキズが走る。ワイルドな風貌がたまらない。
日に日に飴色へとエイジングする栃木サドル。届いた時には確認できなかった小さな黒い斑点(中央上付近)が現れた。宮本代表に聞くと、革を天日で乾燥する時に付着した空気中の微細な鉄粉が反応したものだと教えてくれた。
屋内の密閉された乾燥室で乾燥すれば防げるらしいが、箱入り娘よりじゃじゃ馬娘の方が好きだ。まったく気にならない。もし、気になる人は「OG-3」を手にしない方がいい。
小判カンも装着可能。
ウォレットロープ&チェーンを多用する人には、追加料金500円(税抜)で真鍮の小判カンの装着も可能だ。上の写真は汎用革を使ったファーストサンプルの小判カン装着例。
小判カンの装着位置は中央に取り付ける「センター」(写真下)、ウォレット側面に少し寄せて取り付ける「サイド」(写真上)の2か所から選択可能だ。(写真のウォレットは参考商品)
価格は3万7000円(税抜)に決定。
貴重な茶芯馬革、ヘリ返しによるエッジ処理、栃木サドルの内張り、名門マニフォールドによる仕立て……絶対の自信を持ってお届けできるプロダクト。愛用のウォレットコレクションに加えて頂けれたら最高に嬉しい。
生産数は革次第。
生産数の少なさを煽りたくはない。いや、特に生産数は少なくない。「OG-3」用に確保できた茶芯の馬革は半裁で数枚のみ。だが、半裁と言っても馬革はデカい。使うのはウォレットの外革のみ。数十個のウォレットは製作可能と見込んでいる。
納期は1〜2か月。
「OG-3」は受注生産ではない。最終仕様が確定したので、現在、抜き型を製作中。1月末に完成する予定だ。その後、馬革&栃木サドルが揃い次第、マニフォールド宮本代表が製作に取り掛かる。
半裁の馬革で製作できる数量をワンロットとし、同時進行で製作するため、製作に入れば一度に仕上がる数も多い。そのため、タイミング次第では意外と早くお届けできる場合もあり、少々お待たせしてしまう場合もある。
納期を1〜2か月と幅を持たせている背景には、そのような生産状況があることをご理解頂きたい。
オガワがセカンドサンプルを使い始めて約1か月。茶芯はもちろんだが、マットだった馬革に極上の光沢が生まれ始めた。やがて鏡のような艶を見せてくれるだろう。気が付けば、このウォレットひとつに、「OG-1」と同じ11項目のレポートを展開した。それでも「OG-3」の魅力は伝えきれていない。
「OG-3」は「革の経年変化」「相棒を育てる」ことが好きな人には、たまらないプロダクトに仕上がったと確信している。ぜひ、この機会に手に取って頂き、魅力を体感して頂ければ幸いである。
ご購入は「O.G.BROS.SHOP」にて。
O.G.BROS.SHOP
THANK YOU SOLD OUT