2型のレザーJKTを作る。

Leather JKT 2019(End)

前レポートの裁断パーツを見て「おっ」と思った人は、かなりのレザーJKT通。「OG-1」のデザインは前身頃が左右それぞれ1枚パーツ。上下で分割されていない。実は、今期は2型のレザーJKTを準備している。

「OG-1」の後継モデル「OG-2」。

昨年発表し、多くのオーダーを頂戴した「OG-1」。初のオリジナルプロダクトにして、原点。スタートを切ったばかりの「Original Garment Brothers」のモノ作りに賛同してくれたブラザーたちには、感謝とリスペクトしかない。「OG-1」の品番&仕様は「OG-1」を手にしたブラザーたちだけのものとさせて頂きたい。よって、後継モデルの品番は「OG-2」。

とはいえ、オーダー締切後も入手を希望する問い合わせが多数寄せられたことも事実。大きな仕様変更は「OG-1」の後継モデルを楽しみにしていてくれた方々に申し訳ない。

結論から言ってしまえば、バックヨークの形状を変更する。アールを描いていた「OG-1」のバックヨークを、「OG-2」では潔い直線へと変更する。

何気ない変更だが、ヨークの位置は後姿の印象を大きく変える。「OG-1」の型紙を広げ、実際にバランスを確認。梁本親子、裁断師の山田氏とも協議し、最終的に襟元から11センチの距離にヨークを設定することに決めた。

ジッパーの向きも変更する。ジッパーには「引手」側、挿し込む「蝶棒」側がある。その向きによって「右挿し」「左挿し」に分類される。ジャケットを着た時に

「引手が左/蝶棒が右」=右挿し
「引手が右/蝶棒が左」=左挿し

右利きが多い日本では圧倒的に右挿しが多い。対して、フライトJKT「A-2」のようなアメリカのJKTには左挿しが多用される。「OG-1」では右挿しを採用したが、「OG-2」では左挿しに変更する。

上記2点、そして既に紹介した馬革の「完璧な1.3ミリ厚」「濃い茶芯」が、「OG-1」から「OG-2」への変更点となる。

その他のディテール、縫製やパターン、サイズ感に変更はない。

「Gジャンタイプ」の理想形「OG-5」。

ここ数年、Gジャンタイプの人気は凄まじい。各ブランドから精力的にリリースされている。数年前、私も個人的に欲しくなり、真剣に調べて回った記憶がある。「革」「縫製」「パターン」「シルエット」、様々な角度から検討した結果、ワイツーレザーに辿り着いた。

編集長を務めていた「Daytona BROS」の表紙にも起用した、分厚い素上げの馬革で仕立てた一着。インディゴ染めの馬革で仕立てた一着。合計二着のGジャンタイプを所有している。もはや手放せない相棒だ。

このGジャンタイプをベースに、さらにクールな一着を作りたくなった。カジュアル的要素が強いスタイルを、オヤジ世代も違和感なく羽織れる研ぎ澄まされたデザインに変える。

「大人の不良」的一着。

ワイツーレザーのGジャンタイプは、すでに完成されたプロダクト。大きな変更は不要だ。

同じ型紙を使いつつ、マテリアルには「OG-2」と同様、1.3ミリ厚に揃えた唯一無二の馬革を奢る。

その他、内袖パーツを1枚革に変更。袖の裏地を身頃と同じコットン素材に変更。「Original Garment Brothers」が金型から製作したオリジナルのドーナツボタンを装着。

そして……

■胸ポケットを省く。
■着丈を2センチ延ばす。

このふたつの変更は、さりげなくも、強烈なスパイスとなる。ジャケットの個性を激変させ、カジュアルから一転、「大人の不良」のような物静かな迫力を漂わせる。

私にとって「OG-5」は、最後のGジャンタイプとなる。

もったいぶるのは止めて、仕上がったサンプルを先に掲載しておこう。絶対的自信作の二着。着込むほどに体に馴染み、最高のエイジングが我が物になる。

サイズ感はほぼ同等だが、個性は大きく異なる「馬革の兄弟」。これはいい。この光景で、酒が飲める。