「フラットヘッド新作カタログ」製作中。

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現在、急ピッチでフラットヘッドのカタログ制作を進めている。今回は2019年の春夏新作カタログ。「Daytona BROS」の編集長時代、3年連続で別冊ムック「THE FLAT HEAD PERFECT BOOK」を発刊したが、メーカーカタログではコンセプトや目的が大きく異なる。

雑誌やムックの場合は、読者にもある程度の予備知識があるという前提で誌面を作る。メーカーカタログの場合は、たとえフラットヘッドというブランドを知らない人が手に取ったとしても、プロダクトの特性や色、雰囲気、そしてブランドの世界観がしっかりと伝わらなければいけない。同じ印刷物でも似て非なるモノなのだ。

そこで、今回のカタログではフラットヘッドお得意の「こだわり」に今一度スポットを当てることにした。例えば代表的なプロダクトであるジーンズの色落ち、「3本針の1本外し」という言葉を世に広めたTシャツ、ウォレットなどに用いる極上の革素材について、など。プロダクトをしっかりと紹介しつつ、随所に「こだわり」「うんちく」の解説を盛り込んでいく。

フラットヘッドとの付き合いは約15年になる。当初、長野に行くたびに小林代表が少年のような笑顔で語ってくれた「こだわり」に私自身、興奮したものだ。しかし、それらを何十回、何百回と記事にするたびに、いつしかルーティンとなり、驚きは薄れ、当たり前に感じるようになっていたことも確かだ。

今回のカタログ制作は、久しぶりにじっくりとフラットヘッドのプロダクトと向き合う、オガワにとっても貴重な時間となった。

デニムの色落ちに心高ぶる。

前述の通り、現在制作中のカタログではデニムの色落ちにもスポットを当てている。撮影用に集められたジーンズ、ワークパンツ、デニムシャツ。どれを見ても純粋にかっこいい。フラットヘッドが理想を追求し、試行錯誤の後に完成させたデニム生地を、着用者が愛情を持って穿き込み、着込んだ姿。

飽きっぽい性格ゆえ、1本のジーンズを何年も穿き続けることが苦手。今思えば、上写真のジーンズのようになるまで穿き込んだ記憶がない。フリーとなり時間的余裕が生まれた今、あらためて1本を育ててみたい衝動に駆られている。

概念を覆したTシャツ。

1〜2年も着用すれば、生地は伸び、みすぼらしい姿になるTシャツ。役目を終えたTシャツをハサミでカットし、ブーツ磨きのウエスとして使っていたのは私だけではないはずだ。Tシャツは消耗品だと思っていた。少なくともTシャツに「経年変化」「味わい」を求めてはいなかった。そんな時に出会ったフラットヘッドのTシャツ「THCシリーズ」。初めて袖を通した時は、しっかりし過ぎたネックと肉厚な生地に若干の違和感を覚えたことを思い出す。

違和感は心地良さに変わる。

ところが、着込むうちに心地良さの虜になる。ネックはタフだが不快な締め付けはなく、何度洗濯を繰り返しても伸び切ってしまうこともない。肉厚だったボディは驚くほどのしなやかさを手に入れ、もはや薄手のTシャツが頼りなく感じてしまうほどだ。5年着用し続けてもビクともしない丈夫さ。

昨今、アメカジ業界全般においてTシャツのプライスを「高い」と嘆く声も多いが、この「THCシリーズ」ほどコストパフォーマンスに優れたTシャツは存在しない。目先のプライスだけでモノを判断してはいけないことを、この1枚は教えてくれた。

これは一体、何だ?

変わらぬプロダクトもあれば、進化するプロダクトもある。小林代表が見せてくれたテストサンプル。すでに見覚えのあるデザインだが、今までのフラットヘッドにはない斬新な色味。ジーンズを軸としたアメリカンカジュアルに溶け込む色味。その理由とは。

さらに上記に関連した衣料品以外のプロダクトも近日発表となる。この場では詳しく紹介することはできないが、現在制作中のカタログにてじっくりと解説している。

カタログは年内完成予定。

このまま順調に制作が進めば、年内にカタログが完成し、フラットヘッドの本社に納品することになる。すでに数百点のアイテム撮影、東京からモデルを呼んでのコーディネート撮影は完了した。あとは自宅の仕事部屋にこもり、黙々とマックに向かうだけだ。

配布開始時期、配布場所などは、近々フラットヘッドのWEBサイトなどで告知されるだろう。「平成」最後となる年末年始、フラットヘッドのカタログを眺めながら有意義な時間を過ごして頂きたい。