超新作のレッド・ウィング

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久しぶりにモノマガジンを買った。

学生時代からお世話になっている雑誌でもあり、あの独特なロゴを見ると不思議と安心する。出版不況と言われるこの時代に、月2回発刊(毎月2、16日)というブレない姿勢を貫く。自分が作ってきた雑誌など、到底、足元にも及ばない一流の雑誌だ。

おそらく誰もが同じ経験を持っているだろう。モノマガジンという雑誌は毎号は買わなくても、年に何度か物欲を強烈に刺激する特集号に出会う。今回手にした一冊も、オガワの物欲に訴えかけてくるキャッチが踊っていた。

鞄と靴と傑作小物
「男のギア」

わかりやすい。モノが好きな男であれば、思わず手に取ってしまうキャッチだ。だが、この一冊をコンビニで手に取り、レジまで持っていった一番の理由は別にあった。

オガワは雑誌を手にすると、いきなり表紙を開かず、必ず裏表紙を見る。そして、巻末にある「奥付け」と呼ばれるスタッフ一覧をチェックし、本の後半から内容を確認していく。無意識のルーティンだ。その一発目の行動、裏表紙を見た瞬間に、やられた。

これは買っておこう。

雑誌では表紙を「表1」、表紙をめくった裏面を「表2」、裏表紙を「表4」、背表紙の裏面を「表3」と呼ぶ。これらは「表周り」と呼ばれ、「表1」を除いては雑誌の顔とも言える広告スペースとして扱われることが多い。

今回のモノマガジンの表4にはレッド・ウィングの広告。そのビジュアルに写るブーツがクールだ。1920年代、レッド・ウィングに存在したアウトドア用シューズを現代に蘇らせたモデルで、その名も「アウティング・ブーツ」。偶然にも9月21日、本日発売開始となる超新作モデル。

どことなくクラシカルで、どことなく上品。つま先を覆うキャップがそのまま後方に伸び、ハトメから履き口まで繋がる。ライニングのない1枚革なので軽快。ソール&ヒールには、1920年代当時、新素材だったラバーが採用されている。

魅力はデザイン、ディテールだけじゃない。税込3万9960円というプライスも嬉しい。4万円でお釣りがくるので、気軽に履いてみようと気になれる。

オガワと同じ40代にとって、レッド・ウィングは青春だ。渋カジ、チーマーが流行った時は、学ランにエンジニアを履いて高校に通った。渋谷原宿には赤茶のアイリッシュセッターが溢れていた。

基本的にブーツしか履かないオガワ。こだわりのアメカジブランドが手掛けた逸品ブーツ、履きやすさを追求した国内ブランドのブーツ、オーダーメイドで仕立てた世界で一足のブーツなど、数々のブーツを所有している。だが、学生時代から44歳となった今まで、レッド・ウィングがコレクションから消えた日はなかった。無意識にそばにいる存在、それがレッド・ウィングだ。

このアウティング・ブーツは3色展開となるが、広告写真一番左のラフアウトとブラウンレザーのツートンが大好物。身長が低いオガワからすればもう少しヒールが高いと嬉しいが、このブーツにはこのヒールがベストマッチであることは疑う余地もない。

縦に短いだけでなく、横に広いオガワの体型には、このブーツはスマートすぎて似合う自信がない。きっと似合わない。でも、欲しい。本当に欲しい。ここでは紹介できないが、モノマガジンの本誌内には専用記事が用意され、履きこまれたサンプルが掲載されていた。

罪深きページ。

思った通りかっこいい。履きこみサンプルを見ていたら、ツートン以外も欲しくなってきた。久しぶりに物欲が暴れまくる。今宵は布団に入っても、なかなか寝付けそうにない。

ちなみにこの号では、アイリッシュセッター「プリント犬タグ」復活記事や、トイズマッコイの秋冬カタログも掲載されている。

やっぱり、寝付けそうもない。