3年目の革ジャン、動き出す。

Leather JKT 2020

一着の革ジャンから始まった。

「Original Garment Brothers」が発表するプロダクトにおいて、レザーJKTは特別な存在だ。2018年2月、出版社を退社した時、オガワの脳内に将来の明確なヴィジョンは存在していなかった。

今思えば、ふたりの子供がいる父親であり、自宅一軒家は男の35年ローンの真っ只中、転職先もなければ、退社後のプランも何もない。誰にも相談せず、嫁には事後報告。そんな状況で、よく16年勤務した出版社を辞めたものだ。勢いとは、恐ろしい。

だが、その決断がオガワの人生を数倍、いや数十倍、エキサイティングにしてくれた。何よりも、今こうして、このしみったれた文章に目を通してくれているブラザーと、ワクワクを共有できる舞台を築くことができたのだ。

出版社を退社した後、人生のプランはないが、人生の夢はたくさんあった。そのひとつが「理想の革ジャンを作る」という夢。本当に自分自身が欲しい一着、袖を通したい一着を作るという、小さくて大きな夢。

その夢を叶えてくれたのが、大阪にファクトリーを構える「Y’2 LEATHER」だった。「Daytona BROS」の編集長時代からワイツーレザーのレザーJKTを数多く見てきたが、革質、表情、匂い、デザイン、縫製……すべてにおいて、オガワの心を強烈に揺さぶった。

代表の梁本奎澤氏はブランド設立以前から40年余り革業界に身を置いてきた生き字引的存在。豊富な経験と人脈をベースに、息子の貴雄氏、裁断師の山田氏、そして卓越した職人たちと共に、真面目で丁寧なモノ作りを貫く。

国内ブランドのOEM生産だけでなく、オリジナルブランドを展開し、世界中の一流ブランドからコラボレーションの依頼が絶えない。名実ともに日本を代表するレザーファクトリーだ。

そんな一流ファクトリーが、「オリジナルの革ジャンを作りたい」というオガワのリクエストに応えてくれた。デザインや仕様はもちろん、オリジナルの馬革の仕込みから裁断方法まで、こと細かなオガワのリクエストにも親身になって応えてくれた。本当に感謝しかない。

そして、2018年秋、一着のレザーJKTが完成した。

記念すべき最初のレザーJKTには「OG-1」の品番を与えた。「THE ORIGIN」。この一着がなければ、今の「Original Garment Brothers」は間違いなく存在していない。

「OG-1」の製作レポートは「ARCHIVE」(アーカイブ)に残している。ワイツーレザーの紹介、オガワが惚れ込んだフルベジタブルタンニン鞣しによる素上げの馬革などを細かに解説しているので、興味がある人はご覧頂きたい。

「研ぎ澄まされた日本刀」のようなレザーJKT。

シンプルを貫く。無駄な装飾や無用なディテールは好きではない。「Original Garment Brothers」の絶対テーマだ。「OG-1」を発表した時、「研ぎ澄まされた日本刀」のようなレザーJKTと形容した。

2019年には「OG-1」の後継モデル「OG-2」を発表。「OG-1」と同じパターンで仕立てているので、同モデルと言っていい。変更点は、背中のヨークを直線に変更し、ジッパーの向きを「右挿し」から「左挿し」に変更、使用する馬革を1.3ミリ均一に揃えたことだ。

「OG-2」は、毎年、わずかな仕様変更を加えながら、絶対定番としてこの先も継続すると決めている。「OG-2」(2019モデル)の詳細は、これまた「ARCHIVE」に収めているのでご確認頂きたい。

ブレないモノ作りこそ、すべて。

2020年、レザーJKTの製作は3年目に突入する。

理想のレザーJKT作りにゴールはない。毎年、その日、その時間、その瞬間に、オガワ自身がベストと思うレザーJKTを作る。妥協はしない

「Original Garment Brothers」のモノ作り。即ち、オガワのモノ作りの根底にあるのは「自分自身が欲しいモノ」。そして、共感してくれるブラザーとワクワクを共有することだ。単純明快。それ以上でも、それ以下でもない。

定説など、どうでもいい。オガワが企画するプロダクトに賛否両論があっても、正直、どうでもいい。他のブランドが作るアイテムも、どうでもいい。

見るべきは、横ではない。真正面だ。

己の直感や欲求と真正面に向き合い、真正面にいるブラザーに最高のプロダクトを届ける。横を見たら足元がブレる。

3年目を迎える今秋、研ぎ澄まされた日本刀を、さらに研ぐ。
この瞬間考えうる、最高の一着を作る。