今季は、3モデル展開。

Leather JKT 2020

「限定」は好きではない。

昨年は、シングルライダースの絶対定番「OG-2」に加え、胸ポケットを廃し、着丈を少し伸ばしたGジャンタイプのクセ者「OG-5」を発表した。

頂戴したオーダーは、やはり定番「OG-2」の方が多かったが、「OG-5」のオーダーも想像以上に多く、胸が熱くなった。

胸ポケットのないGジャンタイプ。内ポケットもない。つまり「OG-5」にはポケットがひとつもない。まさにクセ者。そんな「OG-5」に共感してくれた骨太なブラザーの存在が頼もしかった。

実はオーダー締め切り後に、再販のリクエストが圧倒的に多かったのは「OG-5」の方だ。

オーダー期間を設け、受注生産という販売スタイルを採用している「Original Garment Brothers」。結果的にはどのプロダクトも「限定」ということになるのかもしれないが、事前に数量を決めた「限定」は好きではない。早い者順や希少性を煽るのも好きではない。

共感してくれたブラザーの元に、しっかりと届けたい。

特にレザーJKTのような高額なプロダクトは、じっくりと検討して、納得したうえでオーダーを頂きたい。だから、一定のオーダー期間を設定するようにしている。

そして、もうひとつ。

「Original Garment Brothers」は、インスタを中心とするオガワのSNS、ならびにSNS広告だけで告知をしている。取扱店もなければ、雑誌に露出することもない。そのため、存在を知った時には、既にオーダー期間が終了している場合も多く、各プロダクトの再販を求める声が日々寄せられている。

本当に有難いことであり、そんなブラザーの声にはしっかりと応えなければいけない。

そこで、各プロダクトは可能な限り、定期的に受注可能な体制を取りたいと思っている。それが、1年に1回、2年に1回になってもだ。

今季のレザーJKTも然り。絶対定番の「OG-2」に加え、クセ者「OG-5」もしっかりとラインナップするので、昨年オーダーできなかった人は、ぜひご検討頂きたい。

第三のモデル、現る。

オガワが若かりし中学生の時、ファッションにうるさかった母方の伯父が「革のコートは大人じゃなきゃ似合わないんだ」と言っていたことをはっきりと覚えている。

46歳のオヤジになった今まで、なぜだか伯父の言葉が忘れられず、革のコートには手を出せないでいた。もう伯父は亡くなってしまったが、いつまでたっても伯父は伯父であり、オガワは若造。ずっと、そんな感覚でいた。

そろそろ、着てみようか。

今季のレザーJKTについて考えていた今年の春、ふと、そんな気持ちになった。

だいぶ白髪も増えてきた。髭にも白髪が混じる歳になった。あの日の伯父の言葉のように、若造には似合わない、研ぎ澄まされた日本刀のような革のコートを作ってやろうじゃないか。

ベースは絶対定番「OG-2」。これ以外にはない。イメージはすぐに完成した。「OG-2」のフロントをボタンに変更し、斜めにレイアウトされた両玉縁のポケットを水平にする。あとは、着丈を伸ばせば理想のコートの出来上がりだ。

着丈はクルマの運転の妨げにならないよう、長過ぎず、短過ぎず。

頭を悩ませたのは、その呼び名だ。「シングルライダース」「Gジャンタイプ」。ならば、こいつは「レザーコート」か。いや、少々漠然とし過ぎる。

強いて言うなら、カーコート。

ボタン仕様のフロント、コートでありながら長過ぎない着丈、シンプルなポケット。このスタイルがもっとも近いモデルは、いわゆる「カーコート」だ。だが、カーコートのセオリーを踏襲する気は毛頭ない。完全オリジナル、独自の解釈で仕立てるカーコートがいい。

使わないチンストラップも、留めることがない首元のトップボタンも不要だ。袖ボタンもウエストベルトも邪魔だ。内ポケットも必要ない。

背面。巷のカーコートはヴィンテージをモチーフとした左右タテ割りも多いが、好みではない。「OG-2」のように横一直線のヨークを設けるだけ。表情豊かな今季の馬革を楽しむため、ヨーク下には大きな一枚革を奢る。

洒落たディテールなど皆無。若造には似合わない、オヤジのためのカーコート 。「大人の不良」っぽさ漂う、馬革の一張羅だ。

これを羽織ったオガワを見て、伯父は「似合う歳になったな」と言ってくれるだろうか。品番は「OG-12」を与えることに決めた。

次回はファクトリーを訪れる。

2020年に発表する、すべてのレザーJKTが出揃った。いずれもシンプルを貫くが、その個性は似て非なるもの。唯一無二の世界観を楽しめる、馬革の相棒たちだ。

先日、大阪を訪れ、ワイツーレザーのファクトリーでカーコート「OG-12」のサンプル縫製に立ち会った。世界が注目するレザーファクトリーの心臓部。そこでオガワは、見えないところにまで美しさを追求する、職人の執念を目の当たりにした。

次回は「OG-12」が生まれる現場をレポートする。そして、いよいよ、各モデルのオーダー開始となる。