太過ぎず、細過ぎず。
パターンを手掛けるのはテンフォーワンの山地代表。馬革JKT以外のウエア類は、すべて山地代表に委ねている。
2019年に「OG-4」で初めてタッグを組ませて頂き、早4年。オガワの好みを把握し、直感や感覚から放たれる抽象的なリクエストを具体的なパターンに落とし込んでくれる、頼れる兄貴だ。
長年穿き込んだウォバッシュパンツを作業台に置き、まずは細部の寸法を細かく測る。その後、股上、ワタリ、膝幅、裾幅など、オガワの好みと要望を伝え、数値やラインを変更。完全オリジナルのパターンを作成していく。
2020年に発表したデニムパンツ「OG-10」は、潔い極太シルエットだった。まさに「ドカン」。それゆえ、好みが別れるプロダクトとなった。対して、今回のウォバッシュパンツは、太過ぎず、細過ぎず、ワークパンツとして標準的なサイズ感&シルエットに設定している。
無論、万人受けを狙っているわけではない。
13オンスという穿きやすい生地ゆえ、メタボなオガワでも動きやすく、極太にする必要がない。ワークウエアでありながらジェントルな雰囲気も併せ持つウォバッシュパンツは、スマートでこそオヤジに相応しい。
ディテールも刷新する。
写真では見えないが、元々穿いていたパンツはフロントがボタンフライ。「ボタンフライは壊れない」とよく言われるが、オガワの経験上、ジッパーでも壊れたことがない。何よりもラク。当然、ジッパーフライに変更する。
フロントのパッチポケットは嫌いではないが、カジュアル感と若々しさが増してしまう。このウォバッシュパンツは、暑苦しいまでの骨太オヤジに足を通してもらいたい。よって、通常ポケットに変更する。
過去に穿き潰してきた同パンツでは、ウォレットを収めていたバックポケットに必ずダメージが生じた。よって、バックポケット内部全面に補強布をしっかりと施し、耐久性を格段に向上させる。
そして、必ず改善しなければいけないディテールがある。リベットである。そのことについては、次回レポートでじっくりと解説させて頂きたい。