学ランが教えてくれた、着丈へのこだわり。
色々悩んだ挙句……と書きたいところだが、実はほとんど悩むことなく、シャツJKTという結論に達した。
歳も40を超えてくれば、大半の人は腹が出る。このオガワもメタボ体型を手に入れて久しい。「Original Garment Brothers」では、そんなメタボ族でもクールに着こなせる、程良いタイト感を信条としている。
着丈も重要だ。若かりし頃に夢中になった「ビー・バップ・ハイスクール」。ヒロシの短ランより、トオルの中ランに惹かれた。
もちろん、今回のシャツJKTの着丈は、トオルの中ランほど長くはない。だが、程良く長い着丈は私にとって「男らしさ」と「強さ」の象徴であり、その気持ちは45歳になった今も変わってはいない。
それだけではない。仕立てるのはブランケットのライニングを備えた冬用のジャケットだ。長めの着丈は、防寒面で最高の武器になる。
「程良いタイト感」と「やや長めの着丈」。双方を兼ね備えたシルエット。シャツのパターンを基本としたジャケット、いわゆる「シャツJKT」という答えが導き出されたのだ。
コーデュロイの襟に惚れた。
すでに発表したデニムJKT「OG-4」。襟には黄金色のコーデュロイを採用した。ジャケットの着心地を左右する要素はいくつかあるが、首周りの肌触りはその大半を占めるほど重要。その考えは「OG-4」で確信となった。
シャツJKTに使うダック生地。ワークウエアの定番である非常にタフな素材だが、反面、肌触りはややゴワつく。ジャケット本体としてはこの上ない風合いだが、肌が直接干渉する襟には、少々ハード過ぎる。
ライニングは身体を優しく包み込むブランケットだ。首周りの不快感が、せっかくの着心地を一瞬で台無しにしてしまう。迷うことなく、襟部にはコーデュロイを使う。
想像しただけで、心高ぶる。
プロダクトのイメージは固まった。今はただただ、私自身、そして「Original Garment Brothers」を支えてくれているブラザーたちが、ダック生地とブランケットのライニングで仕立てたシャツJKTに袖を通した姿を、四六時中、想像している。
上っ面のお洒落よりも、着込むほどに体に馴染む経年変化に悦びを覚え、愛着はあるが手加減はしない相棒としての付き合いに徹し、己の価値観でモノを選ぶ、頑固一徹なブラザーたち。
バイカーのブラザーもいるだろう。アウトドアを愛するブラザーもいるだろう。アメカジを知り尽くした百戦錬磨のブラザーもいるはずだ。平日はスーツに身を包み、週末にアメリカンカジュアルを楽しむブラザーもいるだろう。定年を迎えても、若人に負けないパワーを持ち続ける大先輩のブラザーもいるだろう。
見た目やライフスタイルだけじゃない。私が手探りで始めた「Original Garment Brothers」という船に、「しょうがねぇな。乗ってみるか」と賛同してくれた、その男気。
そんな骨太なブラザーたちが、このジャケットに袖を通す姿に興奮している。肉厚のダック生地にコーデュロイの襟、ライニングにブランケットを奢ったシャツJKTを仕立てる。迷いはない。