「OG-7」を縫い上げる。

「OG-7」「OG-16」Shirt JKT(End)

7作目となるプロダクトが完成。

肉厚にして柔軟なダック生地を使い、襟にはダークブラウンの太畝コーデュロイ。ヴィンテージライクなブランケットのライニングを装備したシャツJKT。「Original Garment Brothers」の7作目となるプロダクトだ。それは同時に「OG-7」の品番が与えられることを意味する。

ファーストサンプルを基に、パターンを微調整した最終仕様の「OG-7」。裁断されたパーツが縫い合わされ、カタチになる瞬間を見届けるため「アパレルナンバ」を訪ねた。

風合い抜群の肉厚ダック生地。

すでに説明した通り、「OG-7」に使うダック生地は裁断前に「洗い」「乾燥」を施している。そのため、表面にはアタリが生まれ、すでに見事な風合いだ。ジャケットに仕立てられた「OG-7」を着込むことで、アタリと褪色は増し、デニム顔負けの経年変化が楽しめることは間違いない。

襟のコーデュロイ、ライニングのブランケットも同様に、生地で「洗い」と「乾燥」を施し、縮ませている。そのため、裁断パーツには歪みもなく、非常に美しい縫い上がりとなる。

何気ない動きこそ、匠の証。

目指すはただひとつ。高度な縫製品質の継続。「OG-7」セカンドサンプルの巻き縫いを担当して頂いた「アパレルナンバ」の難波会長を筆頭に、すべての職人たちは、高い品質を維持させながら、黙々とミシンを踏む。

ファクトリー内には心地良いミシンの音が響き、素人の私から見ると、非常に早いスピードで次から次へと縫い上げていく。時に職人どうしが言葉を交わしても、仕様書に目を落としても、ミシンの針は止まらず、ブレず、進んでいく。

その姿こそ、匠の証。そこに大袈裟なパフォーマンスなど必要ない。

ブランケットのライニングは、保温性や防寒性を高めるために、ボディだけでなく袖裏までしっかりと張っている。

袖付近でブランケットがたわんでしまっては、着心地を大きく損ねてしまう。袖口の何気ない仕様にも、パタンナー、そして縫製職人のこだわりが凝縮されている。

表地と裏地が重なり合って構成される「OG-7」。着用時はしっかりと重なり合い、脱ぐ時もズレてはいけない。そこで、表からは見えない内部で、表地と裏地を幅3センチほどのテープで繋ぎ合わせている。

襟にはダークブラウンのコーデュロイ。ブランケットのライニングと同様、保温性を高め、ソフトな肌触りで着心地の向上に一役買っている。

例えば「OG-4」のようなデニムJKTの場合は、裾に帯状の別パーツを縫い付ける。だが「OG-7」はシャツJKTだ。軽快さを損ねてはいけない。シャツと同様に表地を折り返し、シンプルな裾に仕上げた。

見えない部分にも「美」を求める。前身頃と後身後の縫い合わせ部分。ブランケットのボーダーラインを、しっかりと柄合わせする。

この男の存在無くして「OG-7」は誕生せず。

オガワが長年、公私ともにお世話になっている「アパレルナンバ」の難波社長。仕事もプライベートも、実にエキサイティングな時間を共有させてもらっている。彼の存在無くして「OG-7」そして「OG-4」は成立しない。

私のSNSでは仕事外のオフショットを載せることが多いが、言うまでもなく、彼は縫製を知り尽くしたプロ中のプロだ。ひとたびファクトリーに立てば「アパレルナンバ」を仕切る社長として、何十件の生産案件を同時にコントロールするツワモノでもある。

サンプル製作の際、決まって難波社長が最後にボタンを取り付けてくれる。ボタンの取り付け後、「アパレルナンバ」からほど近い専用工房にてボタンホールを開ければ完成となる。遂に「OG-7」のセカンドサンプル、つまり完成形が姿を現した。

次回は各ディテールの説明、そして、オーダー開始となる。