パターンに修正を施す。

「OG-7」「OG-16」Shirt JKT(End)

気が付けば、岡山児島に向かっていた。

ファーストサンプルのサイズ感に若干の変更を加える。その現場に立ち会いたくなった。

シャツJKTのパターンを手掛けるのは、「アパレルナンバ」からほど近い場所に事務所を構える山地代表(上写真中)と鬼川氏(同右)。デニム関連だけでなく、幅広い衣料を手掛ける百戦錬磨のパタンナーだ。

ファーストサンプルを前に、理想とするサイズ感、着用感を伝える。一方で、現状の美しいシルエットは絶対に維持して欲しいとも伝える。パターンに疎いオガワ。素人ゆえの厚かましさ。

感覚を数値に落とし込む。

実際にファーストサンプルを試着し、このシャツJKTの性格を確認する山地代表。自らが袖を通した感覚と、オガワが伝えた要望をマッチングさせ、理想のパターンを脳内に描く。

右腕でもある鬼川氏と、パターンの修正すべき点を確認する。至って物静かな匠たちのやり取り。時折、言葉を選んだ優しい質問を私に投げ掛ける。物静かではあるが、そこには確かな技から滲み出る、絶対的な自信を感じ取ることができる。

画面の向こうに見る、匠の技。

パターンが映し出されたモニターに向かう鬼川氏。色々と説明してもらうが、素人の私が簡単に理解できる世界ではない。

肩幅はそのままに、腕を動かしやすくするために袖山を少しだけ下げる。アームホールを少し広げ、肩から袖に向かい腕の幅を絶妙に広げる。シャツJKTとしての美しいシルエットはそのままに、着心地の変化はしっかりと体感できると言う。

骨太な一着は、ログハウスで産声を上げる。

山地代表の事務所は、木の温もりに溢れたログハウスだ。壁面には大量のミニカーがコレクションされ、男の趣味世界を具現化した空間。アメリカンカジュアルを好む者にとっても、心高ぶる場所と言える。

趣味、嗜好、世界観……リンクする部分があるからこそ、お互いがイメージする完成形の誤差は小さくなり、精度の高いプロダクトが誕生する。「Original Garment Brothers」にとって、欠かせない匠であり空間。

山地代表、鬼川氏によって修正が施された最終仕様のパターンによって生地を裁断。「アパレルナンバ」のファクトリーで、いよいよ縫製作業に入る。