姿を現した最終形。
ファーストサンプルの不具合を修正したセカンドサンプルが完成し、2018年12月30日に届いた。年末というもっとも多忙な時期に、型紙を修正し、セカンドサンプルを仕立ててくれた宮本代表には感謝しかない。
「Original Garment Brothers」のレザーJKT「OG-1」で使う茶芯の馬革を使ったレザーウォレットが、遂に姿を現した。落ち着いた風格、アメカジを知り尽くした玄人にこそ相応しいアダルトな佇まい、マットな馬革とナチュラルな栃木サドルの絶妙なコンビネーション。想像以上の出来栄えに興奮が収まらない。
張りとコシが半端ない。
ファーストサンプルの汎用の黒革とは異なり、「OG-1」の馬革は「張り」と「コシ」が凄まじい。折り曲げようとしても、いとも簡単に弾き返されてしまう。ヘリ返しで仕上げたエッジも、ファーストサンプルより存在感を増した。まさに「OG-1」の袖と同じ佇まいだ。
「OG-1」の馬革のお陰で、 ファーストサンプルで少し気になったボリューム不足は見事に解消された。無駄にゴツくはないが、数々のアメカジ・レザーウォレットを愛用してきたベテランが手にしても、物足りなさを感じることない。むしろ「調教してやろう」という気になってくれるはずだ。
修正を施した内部デザイン。
ファーストサンプルの使用テストで発覚した不具合を修正したウォレット内部。ウォレットの高さを5ミリ伸ばし、中央の開口部を6ミリ広げる。たったこれだけの修正のため、視覚的に大きな変化は感じられない。しかし、たったこれだけの修正で、プロダクトとしての完成度と美しさは数十倍、向上する。
ここからは、修正前のファーストサンプル、修正後のセカンドサンプル。両写真を比較してみる。
まずは、美しい重なり。
言うまでもなく、上がファースト、下がセカンド(以下比較も同様)。ウォレットの高さを5ミリ伸ばしたことで、お札や小銭、カード類をフルに収納しても美しく重なり合うようになった。
ウォレットとしては当然のことだが、オガワが学生時代から現在に至るまで所有した数十個のウォレットの中には、ズレが気になる個体があったことも事実だ。
6ミリ広げた開口部。
オガワの頭は実に冴えていた。
開口部のたるみ、ジッパーの引き手の干渉を解消するために、開口部を6ミリ広げるという結論に至ったオガワの試算。大抵の場合、オガワの推測や勘は虚しく外れるが、今回は的中。
人間は本当に楽しいと思える「モノ」「コト」に向かう時、能力以上に感覚が研ぎ澄まされると実感。まさにイメージ通り、見た目を損ねていた開口部の「たるみ」は解消された。
別角度からもご覧頂きたい。
どんなに機能や無骨さ、タフさを謳ったプロダクトでも、美しさへの追及を忘れてはいけない。愛されるプロダクト、愛されないプロダクト。その違いは、実は些細なディテールへのこだわりにあると信じて止まない。
すでにセカンドサンプルを使い、最終の使用テストに入っている。今のところ問題は無い。このセカンドサンプルが最終形となるだろう。
馬革の茶芯、栃木サドルの飴色は、数日で手に入るものではない。発売開始までの短い期間では、エイジングした姿をお見せすることは難しい。それでも、日々愛着を持ってガンガン使い、より良いエイジングを目指して愛でている。
その姿は親バカ。その様子はまた次回にでも。