似て非なるプロダクト。
「OG-3」を手縫いで仕立てようと思い立った時、「OG-3」の品番を継承しようと考えていた。素材とデザインは同様、「ミシン縫い」と「手縫い」の違いのみ。軽く考えていた自分を、今、恥じている。
亀太郎氏がサンプルを仕立てる現場に立ち会った。今回のプロジェクトの趣旨も理解し、快諾してくれた亀太郎氏は、私が愛用するミシン縫いの「OG-3」の完成度の高さを賞賛してくれた。そこには「OG-3」を手掛けた「ミシン縫いの匠」へのリスペクトも存在していた。
一方で「手縫いの匠」としての揺るぎない自信、最高のプロダクトを作り出そうとする執念も、伝わってきた。
このふたつのプロダクトに同じ品番を与え、同じプロダクトとして扱ってよいのか。ふたりの匠に申し訳ない気持ちと、恥ずかしさががこみ上げてきた。
「OG-8」の品番を与えることにした。オガワにとってウォレットは縁起物だ。「8」という数字も縁起が良い。2020年初となるプロダクト 「OG-8」、オーダーを開始させて頂く。
「OG-8」をあらためて見渡す。
ウォレットの表革には「Original Garment Brothers」の原点であるレザーJKT「OG-1」の馬革を使う。日本を代表するレザーファクトリー「Y’2 LEATHER」の協力のもと、国内の小さなタンナーで、頑固一徹の職人が鞣す、唯一無二の馬革。
昔ながらのフルベジタブルタンニン鞣し。「傷」「皺」「血筋」「虎目」を隠さず、馬本来の表情をダイレクトに楽しめる「素上げ」。使い込むほどに表面が擦れ、芯のブラウンが現れる茶芯。レザーラヴァーの物欲を刺激する要素が盛り込まれたスペシャルなマテリアルだ。
ウォレット内部は日本が世界に誇る栃木サドル。今回はグレージング仕様の光沢ある栃木サドルを使っている。使い込み、紫外線を浴びることで、透き通るような飴色へと昇華する。
ジッパーはユニバーサル製。「OG-3」で採用したタロンジッパーと並び、各ブランドが絶大な信頼を寄せて使う定番ジッパーだ。
札入れ部と内張りの間にも収納スペースを確保。個人事業主のオガワにとって非常に大切な領収書を、お札と分けて収納している。
カード収納スペースは4か所。内張りとの間にも収納スペースを確保している。オガワはこのスペースに、免許証や保険証など、カード類を約6枚収納。つまり、合計で10枚収納している。さらに収納も可能だが、ウォレットがパツパツになるのが嫌いなので、10枚程度を上限としている。
もはや説明する必要もないが、「OG-8」は手縫いで仕立てている。伝説の職人として業界随一の技を持つ亀太郎氏の手仕事だ。
一般的な手縫いよりもピッチを少しだけ細かくすることで、無骨過ぎず、オヤジでも愛用できるスマートなウォレットに仕上げた。
エッジの処理は「ヘリ返し」。使い込むことで、レザーJKTの袖口のように擦れ、見事な茶芯を楽しむことができる。このディテールをウォレットで再現するために「OG-3」のプロジェクトを立ち上げたほど、オガワの個人的な思い入れが強いディテールだ。
亀太郎氏は「コバの神」と称される。氏が磨き上げたコバは、まるで研磨された木工芸品のように美しい。亀太郎氏が一心不乱に磨き上げたコバを、存分に味わって頂きたい。
真鍮製の小判カンの装着も可能だ(別途500円/税抜)。
(希望者は「O.G.BROS.SHOP」での「OG-8」オーダー時に「小判カン取付オプション」も一緒にカートに入れてください)
価格は3万7000円(税抜)に決めた。
アメカジ業界では一般的に「ミシン縫い」よりも「手縫い」の方が高額に設定される風潮がある。確かに、プロダクトの仕立てに費やされる時間は、手縫いの方が長いかもしれない。
だが、ミシン縫いの「OG-3」、手縫いの「OG-8」、ふたつのプロダクトに注ぎ込まれる匠たちの技は、名実共に超一流。差はない。
よって「OG-8」は「OG-3」と同じ、3万7000円(税抜)に決めた。ただし、税率変更に伴い、税込合計金額が異なることはご了承頂きたい。
(販売ページへは一番下のリンクボタンから↓)
生産数は革次第。
現在、残っている「OG-1」の馬革は半裁にして数枚。具体的な生産個数を発表できず申し訳ないが、半裁の大きさ、革の状態に個体差があるため、正確な生産可能数が算出できないのが実情だ。よって、無くなり次第、オーダーストップとさせて頂きたい。
ただ、数十個は生産可能だと思われるので、じっくりとご検討頂きたい。ウォレットは長い付き合いになる。焦りは禁物だ。
納期は1〜2か月。
一流ブランドのレザープロダクツや数多くのオーダーを抱えている亀太郎氏だが、今回のプロジェクトに惜しみない協力を頂戴している。状況に応じて若干前後する場合もあるが、概ね、1〜2か月の納期を予定している。
一期一会の「傷」「皺」も醍醐味。
「OG-8」で使う馬革は、革の表情をダイレクトに楽しめる「素上げ」だ。革の表面に一切の処理を施していないため、天然の「傷」「皺」「血筋」「虎目」などが普通に存在する。そのことをご理解の上、オーダーして頂きたい。
「傷」「皺」「血筋」「虎目」など、革の状態や個体差によるキャンセル、返品、返金、交換は一切受けられないのでご注意を。均一で無表情な革によるウォレットを求めている人には「OG-8」はオススメしない。
オガワが愛用している「OG-3」(上写真)にも、長い天然の傷が入っていた。最初はかなり目立ったが、今では最高のスパイスとなってウォレットに迫力を与えてくれている。きっと元気な馬だったに違いない。とことん、使い込んでやりたい。
「Original Garment Brothers」が考える、もっとも使いやすく、もっとも革の経年変化を楽しめるレザーウォレット。伝説の職人、亀太郎氏が仕立てる「OG-8」を、手にして頂ければ幸いである
ご購入は「O.G.BROS.SHOP」にて
O.G.BROS.SHOPTHANK YOU SOLD OUT